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Tside


『たまと外ロケなんていつぶり?楽しみだな!』

一緒に準備して、そう言われた朝を思い出す。

あんなに近くにいたのに、今は一体…

「どこにいるのさ…。みつ、みつ!!!」


涙混じりの掠れた声。

聞こえて、お願い…。


なんて…念じすぎたのか。

「…え?みつ…??」


ミツの声が聞こえた気がした。

いや、気のせいではないかもしれない。


「…ま、すけて…っ」


絶対そうだ。ミツだ。ミツがいる!!


「みつ、みつ!!!!みつどこ!!!!」

「玉森さん?!北山さん居ました?!」

「今、今絶対声が聞こえた!ここら辺にいる!」


そのヒントから全スタッフが付近に集合する。


「…みつ?!みつ!!」

でも、その中から見つけ出したのは俺だった。


「たま…っ、たま」

「みつ、もう大丈夫だよ…っ」


大きな木に凭れて縮こまってるミツを発見した。


もちろん傘は持っていなくて、ずぶ濡れで。

ガタガタと震えた腕を、必死に伸ばしてきた。


ぎゅっと掴んで抱きしめる。

でも、あまりにも震えが酷くて怖くなった。


体を離し、少し泥で汚れたミツの顔を見ると

顔色は酷く白くて、唇は色がない。


「たま、寒い…すごい寒い、冷たい…」

弱々しい声、力のない冷たい手に一生懸命握られる。


「どうしよう…っ、みつ、すごい震えてて…っ」

「玉森さん落ち着いて。震えてるなら大丈夫ですから。
冷えて震えてない方が危険です。
今すぐ温めてあげれば、大丈夫ですよ」


助けると意気込んだものの知識はない。

専門家の人がミツの濡れた服を素早く着せ替えて、毛布に包んだ。

幸い近くに建物があったため、担架ですぐに運ぶこともできる。


「たま…、」

「みつ、もう大丈夫…怖かったね」


毛布の中で震える冷たい手を握った。

一生離さない思いで握った。

・→←もう絶対に君を離さない TK



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ちび(プロフ) - めっちゃ良いですね、藤北、から検索で来ました、ツイッターもリクエストさせてもらいました⚪︎何気ない藤北、めっちゃ好きなんです、ドラマのは私も妄想してたんでめっちゃ読んでてニヤニヤしちゃいましたわ🤭素晴らしいですね (2023年3月16日 13時) (レス) @page33 id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:櫻弓 想 | 作成日時:2023年1月15日 21時

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