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Tside
「たま…」
無事本番が終了。
スタジオから出た瞬間に、衣装の裾が小声と共に遠慮がちに引っ張られた。
「みつどうした、どこが辛い？」
「つかれた…」
「よしよし。よく頑張ったね」
肩を支えて楽屋へ戻る。
本番前、顔色は薬のおかげか治っているように見えていたのに、今はもう酷く青白い。
「ダンス激しい曲じゃなくてよかった…」
楽屋に着くと、そう呟きながらすぐソファに腰を下ろした。
体力おばけなミツが、帰ってくるだけで少し息を切らし胸を抑えている。
「痛い？」
「いたい…ドクドクして気持ち悪い」
疲れやすくて息切れするのも、胸痛と動悸も貧血の症状だ。
今日は本当にかなり酷そうで、見ているだけでも辛い。
着替えだけ頑張ってと言って、終わった頃にはぐったり。
すぐに家へ連れて帰ろうと思っていたが、ちょっと今すぐは動けない、とミツはソファへ横になった。
「めまい？」
「んー…今立てる自信ないし、頭もガンガンしてて…。
ごめんね、ちょっとだけ待って…」
「うん。全然待つよ。ゆっくりでいいからね」
続々と後から帰ってくるメンバーが心配そうにミツを見る。
ミツは無理に笑って大丈夫だよと言った。
またお兄ちゃん面しやがってとも思ったが
俺の前だけ素直なんだと分かって嬉しかった。
「よし。ミツ乗って」
寝転ぶミツに、背を向けた。
ミツはえ？って顔をしたから
ほら！と急かすが、ミツはまだ拗らす。
その様子を見かねたニカがこちらへ寄ってきた。
「たまの背中乗らないなら、俺がお姫様抱っこするよー？？」
「ぜってー嫌だわ、恥ずかしい…」
「んはは、じゃあ乗りな」
そこからはニカがミツの身体を持ち上げるように俺の背中へ乗せて…と、少々無理やりだったがやっとおんぶができた。
お大事にーと言うメンバーの声を聞きながら、楽屋を出た。
廊下をおぶって歩いていると
たまちゃん…と、背中で呼ばれる。
久々にちゃん付けされた気がする。
甘えられてるってことでいいのかな。
「なあに」
「ありがとね」
帰りの車内では、俺の肩に頭を置いて寝てくれた。
END 2022/11/26
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ちび(プロフ) - めっちゃ良いですね、藤北、から検索で来ました、ツイッターもリクエストさせてもらいました⚪︎何気ない藤北、めっちゃ好きなんです、ドラマのは私も妄想してたんでめっちゃ読んでてニヤニヤしちゃいましたわ🤭素晴らしいですね (2023年3月16日 13時) (
レス) @page33 id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻弓 想
| 作成日時：2023年1月15日 21時
