吸血鬼にさせられた少女Ⅱ【約束のネバーランド】 (ページ38)

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８７話ページ38

A「え、と…あの…」

私はその子を見て後ずさる。

私より少し背が高くて、後ずさって分かった。

その子の背中には身の丈に合わない刀を背負っていた。

私はそれを見て余計に血の気が引いた。

A「ご、ごめんなさい、私の不注意で…」

私はそう言うけれどその子は何も言わない。

やばい、怒らせちゃったかな…。

「この刀の血の糧にしてやろうか！」とか言い出しそうで、怖い…！

でもその子は……

？「うー…」

A「？」

むしろ、赤子のような言葉しか喋らない。

私はまさか…と思ってその子を見る。

きっとこの子も…実験体として…？

私はそれに気づいて恐る恐る近づく。

…そうだよね。

きっと、施設を壊してくれたんだ。

みんなを助けた一人なのかもしれないんだ。

A「ぶつかってごめんね、大丈夫？」

？「あー…」

私はその子を見上げればコクリと頷いた。

よかった、言葉は分かるみたい。

私はそれに気づいて微笑んだ。

A「あなた、スミーさんって言う人知らない？」

？「…うー…」

その子は私の今言ってることは理解できていなかった。

どうやら名前、までは分かんないみたい。

私はそっかと言って苦笑いする。

するとその子の目の前に蝶が飛んできた。

綺麗な色で、私もふとその蝶に目がつく。

？「あうあー…」

A「え、待って…！」