43話 ページ44
A「食べてはいけない…」
スミー「君が第1号なんだよ。
鬼も“娯楽”が必要でね。
その娯楽の一興として、“観賞用”が推奨された。」
A「…私が?」
鬼にも娯楽が必要…。
だから昨日出会った鬼は覗くように見てきたんだ。
でもどうして私なんだろう…選ばれた理由なんてわからない…
スミー「ただその為には実験が必要だった。
観賞用と言えば君は何が思いつく?」
スミーさんは私を見透かすような瞳をしてる。
私は眉を寄せて、考える。
確か本では…
A「…綺麗で、触れたくても触れたらダメで……。
視覚的に楽しむもの…だと思う。」
私がポツリと呟くように言えばスミーさんは目を細めた。
私はそんなスミーさんを見て戸惑った。
スミー「視覚的に楽しむもの、ねえ……
でも姿形が変わってしまったらそれはもう違うものになるだろう?
花もいずれは枯れ、魚も死ぬ。
鬼は長寿でね。
鬼からしたら私達は蝉のようなものなのかもね。」
そういうスミーさんは儚く、苦笑いをする。
私はそんなスミーさんを目で細めて見た。
A「…つまり?」
私は焦らすスミーさんに問いかけた。
スミーさんは私の瞳をジッと見つめた。
私もその目を逸らさなかった。
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作者名:AYANE | 作成日時:2024年3月23日 22時