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３２話 ページ33
？「特上一匹。
“観賞用”の少女です。」
？「ご苦労。
私達が続きを引き継げよう。」
特、上…一体誰なの…？
私は体を縮こませていたけれど、声が聞こえた。
？「怖がらせたようだね。
安心して。
私達は酷いことはしない。」
A「！」
優しそうな声。
近づいてくる声に私は怯えて尻餅をついたまま、後ずさる。
“安心”。
ここに来るまでずっと言われた。
その言葉がとても怖くて……。
？「…分かった。
私は近づかない。
君の手でその黒い布は取れる。
自分で取ってごらん。」
A「目隠し…？」
その言葉に、自分の目元にかかっていた黒い布をとった。
明るい視界が入って思わず目を細める。
その先には1人の人影が見えた。
？「もう大丈夫。
出て来られるかな。」
A「……」
私がいたのは車の後部座席のようだった。
その先で白衣を着ていた人に手を差し伸べられていた。
私はその姿に戸惑う。
研究…
？「…おいで？」
でもその人の声がとても優しくて、私はその手を取った。
その人は丁寧に私を車から降ろしてくれた。
出た先は外で、目の前には工場のような、砦のような建物が目の前にあった。
？「今日からここが君のハウスだ。」
A「……」
その言葉に白衣を着た男の人を見上げた。
ピーターさんと違って優しい…。
私は、握られた手を握りしめた。
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作者名：AYANE | 作成日時：2024年3月23日 22時
