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他の相手だったら何を話そうとか沈黙したらどうしようとか色々考えるけど、深澤なら大丈夫、話題に事欠かないことを知ってる。
案の定、名古屋の美味しいお店から始まって、隠れ家的な飲み屋、スイーツのお店やアクティビティスポットまで、ペラペラとよく話す。
「何笑ってんだよ」
「いや。。よく喋るなと思って笑」
「いやお前ね、俺結構気ぃ使って喋ってやってんのよ？」
「頼んでもいないのにすごいマシンガントークだった笑」
「おいっ！笑 でも、楽しかっただろ？俺の名古屋トーク。今度はAが俺のいなかった間の東京の話してよ」
「えー？ふつーだったよ？なんも変わんない笑」
「そうだよな〜俺ひとりくらいいなくなっても何も変わんないよな〜。。って、なんか虚しいな！」
「あはは」
こんなやりとりは、深澤が本当に戻ってきたんだなって改めて感じられて、幸せな気持ちでいっぱいになる。
「Aは、どうよ？」
「ん？」
「俺がいなくて、寂しくなかった？笑」
「えっ？？。。。。」
わたしに微笑みかける、その表情は、
今までの表情とは打って変わって、
心を見透かされているような、
丸裸にされてるような、
そんな顔。
「い、いや、寂しいわけないでしょ、存在忘れてたわ」
「お前それは言い過ぎだぞ！笑」
「あれ？そう？笑」
。。。なにあれ。。あんな表情、やめて欲しい。
心臓が大きくひとつ、ドキンと跳ねて、
自分の顔が赤くなってないか心配になった。
深澤の「遅いし家まで送ろうか」という言葉も固辞してひとりで駅に降りる。
こんな夜遅くに、これ以上一緒にいたら心臓がもたない。
。。。深澤にとってはなんてことない、普通のことなんだろうけど。。
わたしが深澤のこと好きだから、こんなに変に意識しちゃうんだろうな。
帰って頭冷やそう。。
。。。そう思って家に帰ったけど、
深澤のせいで体にこもった熱は、
どんなに時間が経っても冷めなくて、
自分の中で、
彼の存在がどんどん大きくなっていくのが、
少し怖くも、嬉しくもあった。
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作者名：しろ
| 作成日時：2022年10月7日 22時
