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重い瞼をゆっくりと開けると、眩しい日差しが目に飛び込んでくる。
「ん〜〜〜〜！」
体を起こして伸びをするが、とにかく瞼が重い。
昨日の夜はあれから缶ビールを3本空けて、
泣き通した。
泣いて、泣いて、
こんなに泣いたことない、ってくらい泣いて
3年分の涙が、
一気に流れ落ちた。
そして、
認めたらスッキリした。
わたしはずっと、
深澤が好きだったんだ。
彼の顔を見たら、
長い間、見ないふりして蓋をしていた気持ちが、
あっさり溢れ出してしまった。
彼に触れられた手。
「勝手に触るなよ。。」
その温もりが、
忘れられない。
歯を磨きながら、窓の外を眺める。
お昼近い日差しは眩しく、日曜日とはいえ街はさすがにもう動き出している。
。。。忘れられる？
これから会社で毎日のように深澤と顔を合わせて。
そんな環境で彼への気持ちを、
気づいてしまったこの気持ちを、
忘れることができる？
やっと気づいた大事な気持ち。
彼女がいるから、で諦められるかな。
てか、諦めなきゃいけないのかな。
彼女がいたって、わたしが彼を好きな気持ちは変えられない。
それって、仕方ないじゃん。
無理に深澤を諦めなくてもいい、
だって、出来ないから。
そう考えたら安心して、
なんだか力が湧いてきた。
彼女がいたって、いいじゃないか。
わたしはわたしで、
深澤が好き。
むしろ明日から、会社で会えるんだ。
めちゃくちゃ嬉しい！
昨晩、自分で勝手にはめた重い足枷がはずれた感じ。
「よし！！」
腫れた瞼で気合いを入れる姿はなんだか滑稽だけど、自分の気持ちに嘘をつかなくていいと思うと清々しい気分になった。
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作者名：しろ
| 作成日時：2022年10月7日 22時
