青い春を駆ける【稲荷崎】 (ページ18)

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第１６話ページ18

古森「お～！宮達も来たのか」

侑「古森らもここで練習してるん？半分貸してくれへん？」

佐久早「無理」

侑「なんでやねん！ええやんか半分くらい！」

治「ケッチやな～」

古森「そうだぞ佐久早～、ちょーっと貸す位いいじゃん」

古森が呆れたように言うと、さらに顔の影を濃くした。

佐久早「じゃあA寄越せ」

「「無理」」

古森「おっと、こっちの方が即答じゃん」

『あ、ええと、未熟ながらボール出しならできます！皆さんの練習のために血眼に働きますですよ！』

侑「おいコラ、お前従兄弟になんちゅうこと言わせてんねん！人身売買の気分やぞ！」

治「ケチー！佐久早聖臣〇〇コちっさ～い！」

古森「ほら～！男子が攻めるから聖臣泣いちゃったじゃん！」

佐久早「うぜえ」

結局、みんなで練習することになり全員で体育館に入っていくと、鴎台の選手達が新しくそこを陣取っていた。

『あれ…これでは練習できそうにないですね』

佐久早「どっかの誰かのせいじゃん」

侑「誰のことやゴルァ！」

治「お前や」

古森「宮…治の方はどっちの味方なわけ？」

笑いだす古森に「ツムの敵や」と清々しく答えると同時に、佐久早と侑が先陣を切って鴎台の選手たちの方へと歩きだす。

状況が飲み込めない三人はポカンとして目を見合わせた。

侑「すんません！俺らと４対４やりませんか！」

佐久早「すいません、そこどいてもらっていいですか」

二人の声が重なって、同時にキッと睨み合う。

『息が…合わないですね…』

古森「侑と佐久早の相性の悪さって、理屈じゃないよな」

『…みたいです』

治「あっ、喧嘩しとうけどあっちはやる気満々みたいやで」

Aが吃驚している間に事は進んで、25点マッチの４対４が始まった。