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五十六話 ページ7

試合に出たくないわけじゃない、ユニフォームを貰うことの重圧が嫌なわけじゃない。

けど、バレーはチームの結束力が一番問われるスポーツだと思ってる。

中学の時は技術とか力とかが結束力より上回ることは良くあったし、なにより上に行ったことはないからこそ圧倒的に差が出る所にいた。

と言うのと…俺が言うのもなんだけど、それなりにコミュニケーション取れてたと思うし。

だから俺でいいのかって考え込んだりすることはなかったんだけど。

高校は技術や力が抜きん出ていても早々上にはいけないし、だからと言って結束力ばかりじゃどうにもならない。

両方が成立してこそ、上に行けるんだろうし…

でも結局はチームが俺に信頼を寄せてくれるのかとか、そもそもそのチームを信じられないっていう俺の我儘に他ならないんだろうな…

……臆病なんだろう、始めの一歩を踏み出すのはまだ先だと思ってたから心構えが出来ない、出来てない。

「……はぁ…」

…心なしかユニフォームが重く感じる…。

こんな邪な気持ちを少しでも晴らそうと普段より早く部室を後にして帰路に着いたんだけど、家に帰ったら帰ったで一人になってまた考え込んで悪化する気が…と思ってふらふらと歩き回る。





辿り着いた、というか足の赴くままに行った所はいつも行くスーパー。

そういえば卵が残り少なかったような…と売り場に行くと丁度特売の曜日だったらしく運が良いなとパックに手を伸ばすと反対側からも手が伸びて来た。

なんかデジャヴだな、と感じて手を引っ込めると向こうも同じように手を引っ込められた。

「…あれ、奇遇やな」

先にどうぞ、と相手の顔を見ようとしたら話しかけられて、それも聞いたことある声だ。

「……北くん?」

「おん、…Aジャージのまんまやんな。そんまま来たんか」

「…まぁ。家からは遠いがいつも来てるとこでさぁ、北くんは…」

「信ちゃん、かつおぶし向こうに置いておったわ」

「ばあちゃん」

…信ちゃん…?ん?北くんに話しかけてきたおばあさん、いつぞやに会ったような……って

「あらあら、お兄ちゃん久しぶりやなぁ」

「…お久しぶり、です…?」

「なんやばあちゃんとA、知り合いやったんか?」

「たまにここで会うてな、買い物運んでもろてるんよ。いつもありがとうな」

…四月とかにさっきみたいに手が触れそうになったおばあさん、北くんのおばあさんだったんだ。

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Flower(プロフ) - とても話の内容に入っていきやすくていいなと思いました!更新お待ちしてます! (2022年1月26日 20時) (レス) @page20 id: cd08cf8264 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 真柴白さん» コメありがとうございます!頑張ります〜! (2021年1月31日 23時) (レス) id: 8b0e7e38fd (このIDを非表示/違反報告)
真柴白 - 更新待ってます★才能が有るって良いですよね(^∇^) (2021年1月30日 20時) (レス) id: b8cb4c9ad0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年12月3日 21時

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