六十四話 ページ15
軽く荷解きをしてから、年越し蕎麦の準備を手伝いつつ近況を話していく。
学校の事や部活でユニフォームを貰えた事、一度試合に出た事。
……ぽろっと『俺がユニフォームを貰って良かったのか…』と悩んでた事も零した時、育史さんは細い目を開いて何か言いたげな表情をした。
けれど何も言わずに話を最後まで聞くと一言、
「良い仲間に巡り会えたんだな」
…他にも言いたい事があったんだろうけど、俺の中ではもう消化された出来事だと察したんだろう。
この一言が、とても嬉しかった。
話もそこそこになった頃に出来た蕎麦を食べ風呂を借り、育史さんの晩酌を手伝い…と色々していたら点けていたテレビが今年は紅か白かと数の集計を始め、年越しまで数分と気が付く。
大晦日だからって夜更かししないように思ってたのに…あと実家のような安心感もあってか気が緩んでた。
でもここまで起きたからには新年の挨拶してから寝よう、とこたつに入っていて凝り固まった姿勢を崩し腕を上げて軽く背伸びをする。
除夜の鐘をつく映像がテレビに映り新年が明けた事を確認すると、姿勢を正しお互いに挨拶をする。
「今年もよろしくな」
「こちらこそ、今年もよろしくお願いします。
じゃあ俺はそろそろ寝ますんで、おやすみなさい」
「おおそうか、おやすみ」
ひらりとお猪口を持つ手とは反対の手を上げる育史さん、風呂上がってからずっと呑んでるけど……大丈夫なんだろうか。
お酒に強い事は知ってたけど、何時間も呑んでるところは見た事ないから心配だな…。
「…元旦から二日酔いの世話はしたくねぇんで、程々にしといてくだせぇよ」
「これくらいは普通だから大丈夫だぞ。まあAのつまみが美味いから進むのは早いがな」
はっはっは！と笑う育史さんにそういやつまみを作った俺も俺か…と苦笑いしつつ、寝室に向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 554人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Flower(プロフ) - とても話の内容に入っていきやすくていいなと思いました！更新お待ちしてます！ (2022年1月26日 20時) (
レス) @page20 id: cd08cf8264 (このIDを非表示/違反報告)
切(プロフ) - 真柴白さん» コメありがとうございます！頑張ります〜！ (2021年1月31日 23時) (レス) id: 8b0e7e38fd (このIDを非表示/違反報告)
真柴白 - 更新待ってます★才能が有るって良いですよね(^∇^) (2021年1月30日 20時) (レス) id: b8cb4c9ad0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：切 | 作成日時：2019年12月3日 21時
