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「健人くん、人違いだったらどうするんですか…」
健人「勝利は黙ってて」
中島健人という隣の男が喋り出したと思ったら
勝利は黙っててって…
なにその名前、珍し。
そんな呑気なことを考えてる場合じゃない事は分かってる。
中島健人の目はものすごく真剣で そんなに見つめられたら目に穴が開きそうだ。
健人「分かってるんでしょ、風磨の居場所」
��風磨��
その言葉に 心が揺れた。
健人「その反応。ビンゴだね。」
勝利「え……」
勝ち誇ったかのような顔がものすごくうざい。
ムカつく。
最初私と話したときは敬語だったくせに 今はタメ口になっているのもムカつく。
健人「菊池の居場所はどこ。」
なんでこんな奴に教えなきゃいけないんだ。
風磨を見捨てたくせに。
勝利「健人くん…、元はと言えば風磨くんは付き合ってた女の子に浮気されたのが原因で壊れちゃったんですよ…？
それなのに、また女の子って…」
その言葉に 少し視線を上げた。
浮気…？
付き合っていた女の子が…？
健人「じゃあ他に有力な手がかりは？」
勝利「それは……」
そういえば私 風磨がなんであんなんになったのか何にも知らない。
どうして風磨があの日 ボロボロの状態で線路の中にいたのか
どうしてキラキラな世界にいた風磨がこんなにも落ちてしまったのか
何にも知らない…
知る必要ないかなって思ってた
風磨も話したりしないし、それを無理に聞くのはお互い心が疲れると思ったから。
健人「俺さ、10年以上も菊池の隣でやってきたの。
なのに、突然いなくなって 周りの人たちは気を遣ってから菊池の話全くしないけど、やっぱりこのまま菊池のことを放っておくわけにはいかない。」
見捨てたくせに？
そう言いたかったけど、それを言ってしまえば私は風磨と知り合いです。と自分から言ってしまうようなもんだ。
健人「本当のこと教えてくれたら、もう君には近づいたりしないから」
喋ってる距離が近くなってる気がする。
あぁ、こんな感じで不審者って小さい子供たちを連れ去っちゃうのかな。
勝利「なにか知ってることあるなら、教えてほしいです…
僕たち本気で探してるんです、風磨くんのこと…」
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作者名：ゆう | 作成日時：2021年5月9日 23時
