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風磨「大切なの。」
「たい、せつ……?」
風磨「大切なものは乱暴に扱わない。
まあ、キスは誤差の範疇ってことにしといて。」
じゃ、風呂入ってくるわ。ってベッドから離れようとしたから 慌てて起き上がって 風磨の腰にしがみついた。
「…待って…」
風磨「え?」
「行かないで…」
なんてこと言ってんのよ、私…
別に私たち付き合ってるわけでもないのに。
風磨は私のこと、もしかしたら、嫌いかもしれないのに…
風磨「Aは狡いなぁ」
「ぇ…?」
風磨「そんなことしたら、止まらなくなるよ?」
「…!
いいよ…!
私、風磨になら、抱かれてもいい……!!」
だから…
居なくならないで…
肝心な言葉だけ、声にならなかった。
やっと、見つけたの
硬い仮面を被って 偽物を演じてる自分は大嫌いだけど
風磨と一緒にいるときの自分は嫌いじゃない
初めて自分を肯定してあげられるかもって、思った。
風磨「俺ね、元カノから 性 欲 の塊って言われたことあるの。」
「……」
元カノ…
うぅ…あんまり聞きたくない…
風磨「これでも今必死に我慢してるんだよ?」
ってことは…
風磨も、そう言う気持ちなの…?
私のこと好き?
ねぇ、好きって言って、
嘘でもいいから、
お願い…
恋愛って怖い。
自分が自分じゃなくなる。
風磨「抱かれてもいいなんて、そんな簡単に言っちゃダメ。」
「じゃあ…抱いて…」
流石の風磨も今の言葉には驚いたみたい。
いや、自分が一番驚いてるよ…
抱いて だなんて、多分人生で初めて言ったし
誰かに抱いてほしいだなんて 初めて思った。
風磨「優しくできないから」
「いいよ…」
風磨「後悔するかもよ」
「風磨なら…なんでもいいの…」
ため息をついた風磨に少し心が痛んだけど そのあとすぐに優しい顔の風磨に戻った。
風磨「一緒に気持ちよくなろっか」
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作者名:ゆう | 作成日時:2021年5月9日 23時