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でも、ごめん。A
俺、そんなAが思うより立派な人間じゃない。
俺だって 何もかも逃げ出して来たんだから。
Aの方がよっぽど偉いよ。
風磨「Aのことは…俺が守る。」
「ぇ…」
風磨「だから、心配すんな。大丈夫。」
何が大丈夫なんだ。
そう思われるのも当然。
こんな根拠のない言葉
でも 今は、こんな言葉でもAを救える気がした。
「風磨はどこにも行かない…?
離れたりしない…?」
風磨「おう、どこも行かねえよ。
Aのそばにいる。」
小さなその体をぎゅっと、抱き寄せた。
それに抵抗することなく、俺の腕の中でしくしくの涙を流すA
無愛想なAも 泣いてるAも 無理して元気出してるAも
全部 A自身なのには変わりないけど
風磨「Aらしくいてよ。
Aが一番楽でいられるAでいてほしい…」
自分らしくなんて、言われれば言われるほど分からないけど 自分らしさって何?って悩んでるその姿こそ本当の自分なんじゃないかって思う。
「…風磨も、たまにはいいこと言うんだね」
風磨「この状況で言うか?笑」
「ふふ、言っちゃった…笑」
抱きしめているせいで顔が見えないけど、きっと笑ってくれてると思う。
やっぱり、女の子は笑ってる顔が一番だ
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作者名:ゆう | 作成日時:2021年5月9日 23時