雪のように美しい君に恋をしてしまった【キルア】其の二 (ページ1)

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ゾルディック家編 42 ページ1

「やっぱり…Aは笑ってた方がいいよ！」

「そうだぜ！！…まっそんな美貌で笑顔なんか見せられた日にゃ、そこら辺の男なんかイチコロだけどな！！！

俺はガキには興味ねえがな！！！！」

最後の言葉だけ余分だったのでは？

「……レオリオ」

クラピカは呆れ顔でレオリオを見ていた

「…私もゴンと同じ様に思うよ。」

『……クラピカ、みんな…』

みんなの笑顔が、私に注がれる
それが、私自身を受け入れてくれた様に感じて
嬉しかった。

不意に横から伸びてきた手に、涙を拭われた。
そしてもう片方の手も伸ばして、肩頬を濡らす涙もゴンが拭ってくれた

「ね！」

私は耐えきれずに、俯いた。

── 今度は辛いからとか、悲しいからとかじゃない

ただ、嬉しくて、また涙が溢れそうだったから。

私は、精一杯、震える唇を開いて言った

ずっと思っていた事を

伝えたかったから。

『……わたし、

ハンター試験、受けて…よかった……ッ

みんなに、出会えて、

…よかった…ッ』

私の言葉に、レオリオが豪快に
私の髪をくしゃくしゃと撫でた

「おうよ！！」

居心地が良かった

暗くて寂しかったあの路地裏から
漸く明るい世界へ来れた気がした

…私の世界は、ここにある

私の居場所は、ここにあったんだ

初めは、誰かの意見に促され

自分の意思ではないままにただ試験を受けにきた

でも、今ならわかる気がするんだ

私は

── 彼等に会うためにハンターになったんだ

.

未だ賑やかな車内に、私の仲間の声がする

その心地よい喧騒の中

ふと見えてきたククルーマウンテン

それを眺めながら、私はただ一人

もう一度会いたいと強く願った彼を想う

── キルア

もうすぐ、君を迎えに行くよ。

＊＊＊

「こちらが、ゾルディック家の正門となります」

ガイドさんに案内され、辿り言った山にそびえ立つ

“試しの門”

別名、黄泉への扉

入ったら最後、生きては戻れないという。

「ねぇガイドさん、
中に入るにはどうしたらいいの？」

ゴンの質問に、ガイドさんは話を聞いていたのかこいつとばかりに眉をピクピクさせながら答える

「中に入れば二度と戻れません！
ここは殺し屋の隠れ家なのよ？！」

そのガイドさんの言葉に、二人の人間がハッタリだろと言いながら前に出た

あの人たち…どう見てもツアー客には見えない。

彼等は門の近くまで歩み寄り

その門の管理人と思しき人物に鍵をよこせと
掴みかかった