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廃墟ビルの12階。響きわたった銃声。
「……あっは♡さすがにビビったわ♡」
コンクリートの壁にのめり込む1発の銃弾。
私は、初めて組織に、
……うん、大丈夫。やるべきことはわかってる。
お兄ちゃん。私、やってみるよ。
「……これで、これで半間くんのことを殺したことにするから。
これに血印…あ、血、半間くん指切らせて、!」
半間くんの手を取り、ポケットナイフを指に押し当てようとしたが、するりと指を絡められて恋人繋ぎにされる。
「あー?なにそんな急ぐことあんだよ、だりぃ。感動の再開を味合おうぜ?」
「な、何を呑気な、
……わかってると思うけど、もし半間くんを殺してないってあいつにバレたら、組織にはむいたことになるの。
私は別にいいけど、半間くんが、」
焦る私に目を細めて、繋いでいない方の手で優しく頬を這わせた。
「ひゃは♡それはそれでおもしれーかもな。
けど、その必要はないと思うぜー?」
くい、と顎と目線を半間くんが縛られていた柱に向けた。
柱の後ろに回る。心臓を撃ち抜かれた気分だった。
「……うそでしょ、な、なんで、!?」
手足を縛られ、顔は原型が分からないほどに腫れている。それでも、わかった。
___あいつだ、
「なんでって、……言ったろ?俺は喧嘩売りにいったんだよ。
女かけた喧嘩に負けるわけにはいかねぇんだわ。」
でもさすがに疲れたと、くつくつ喉を鳴らしてコンクリートの上に大の字に寝転がった。
私は、ふらふらとまた半間くんに寄って、隣に座り込んだ。
そして、半間くんの頭を膝の上にのせる。
「お♡Aさんの膝枕かー。悪くねぇな。」
「……半間くん、やっぱり馬鹿なんだね。あの日、私の部屋の前に来なきゃこんな思いしなかったのに。」
「俺のおもしれぇこと探すセンサーが反応したんだ。
それに、Aさんに会うための賃金だと思えば足りねぇくらいだろ。」
「…これから、あいつを殺したことがバレれば、新しい組織がまた追ってくる。
……二人仲良く地獄行きね。」
「それいいなぁ♡まだまだ楽しくなりそうだ。
だから、もう泣くなって。」
ぽた、ぽた、と半間くんの整った顔に雫が落ちて、視界が歪む。
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作者名:すき子 | 作成日時:2021年8月14日 18時