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20走っても走っても ページ21








────……。




「はァッ……はァッ……」




「──追え!」






止まるな。



足を止めるな。




後ろを振り向くと、自らの腕から滴り落ちた鮮血が地面に線を描いていた。さらにその後ろからは、男達の足音と声が聞こえる。



薄暗い夜道はまるで私を死へと誘う罠のようで。



顔を伝う生温い液体は、もはや返り血なのか自分の血なのかもわからない。ズキズキと痛む頭をおさえながら、止まることなく闇の中を突き進んだ。


右手で握り締る刀は、血を浴び赤く染まっている。



「……はァッ……げほっ……」



──桐島という男。予想以上に厄介かもしれない。



「とりあえず……土方にッ」



「……さっさと捕まえろ!」



ポケットから携帯電話を取り出そうとしたが、背後からの声でその手を引っ込める。




「しつこいな……」



どんなに走っても男共の足音が離れることはなく、体力だけが削り取られていった。肩を上下に激しく揺らしながら、ぐっと唇を噛む。




──バンッ




耳を裂くような大きな銃声。



「……ぐっ」



左足がひどい激痛に襲われ、その場に倒れこむ。





止まるな!止まるな!



頭ではわかっているのに、身体が全く言うことを聞かない。



早くここから逃げるんだ……!




「ったく、手間かけさせんじゃねェよ」



正面から聞こえた声に、ハッとする。


暗闇から現れた人物は、私に銃を向けたままニヤリと笑った。今すぐ逃げなくては、と思っても足がピクリとも動かず。



「さァ、鬼ごっこもこれで終わりだ」




バァンッ



──血飛沫が舞った。






 

21弟ってなに?→←19闇は果てしなく続き



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設定タグ:銀魂 , 真選組 , 家族   
作品ジャンル:アニメ
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アオト(プロフ) - すずさん» コメントありがとうございます。な、泣いたですと!?作者として非常に嬉しいです。今のところ続編は考えてませんが、もし新作のネタに困ったら作るかもしれませんf^_^;) (2015年12月11日 23時) (レス) id: d8cd4dea01 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - とっても面白いです!!良すぎて読みながら泣いてました!!続編に続いて欲しいです!! (2015年12月11日 15時) (レス) id: cfd050b9dc (このIDを非表示/違反報告)
アオト(プロフ) - 通りすがりの加藤さんさん» いえいえ!こちらこそ長い間あやふやにしてすみませんでした。 (2015年6月25日 22時) (レス) id: d8cd4dea01 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの加藤さん(プロフ) - アオトさん» なるほど!ご説明ありがとうございます(((o(*゚▽゚*)o))) (2015年6月25日 7時) (レス) id: 204089a6f3 (このIDを非表示/違反報告)
アオト(プロフ) - イチゴさん» イチゴさんありがとうございます!説明下手ですみません。もし続編or番外編を書くことになったら、この夢主復活までのお話を書きたいと思います(^_^) (2015年6月24日 20時) (レス) id: d8cd4dea01 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アオト | 作成日時:2015年2月26日 21時

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