93.【番外編】長男として�� ページ48
「主殿が亡くなられた後すぐ、私達兄弟はバラバラに離れてしまいましたから。本当に嬉しいです」
と、一期君はミルクティーを一口飲む。
バラバラに離れた？ そんなことは無いはずだ。だって既に後任の審神者は決まっていたのだから……？
「私が死んでから、皆は後任の審神者に引き継がれたんじゃないの？」
「いえ。主殿の
そこで、刀剣をそれぞれ他国の本丸へ譲り渡したと。
……そうだったのか。結局、あの本丸は無くなってしまったのか。私なりに頑張って守ったつもりだったんだけどなぁ。
命を張ったところで、皆には悲しい思いをさせてしまったんだね。
「ごめんね一期君」
「えっ、いや、落ち込まないでくだされ主殿！ 確かに別々になってしまったのは残念ですが、移行先の本丸にも弟達はいましたし、ほらっ、今もまた再会できていますから！」
あたふた、まるで山姥切君のように慌てる一期君を見て思わず噴き出してしまう。すると、さっきまで短刀達と楽しそうに話していた鯰尾君と骨喰君がこちらにやって来た。
「主、いち兄と何話してるんですか。俺達も混ぜてくださいよ」
「ただの昔の話だよ？」
「主が審神者だった頃の？」
「うん」
鯰尾君が「なつかしいなー」と隣に同意を求めれば、「そうだな」と抑揚のない声調で骨喰君が答える。
「夏はよく海にも行きましたよね。いち兄、水着姿の主を見て面白いくらい動揺してたっけ。目のやり場に困る……！ とか言って」
「なっ、鯰尾！ ありもしないことを言うのはやめなさい！」
「え？ いやこれ本当でしょ？ なぁ骨喰」
こくんと頷く骨喰君。しかしその目は興味ゼロと言った様子で、ひたすらボーッとしていた。
「そうそう。冬は雪でかまくらも作りましたよねー！ でも中がすごく狭いから、主といち兄が入っただけで定員オーバーしちゃって、二人も密着状態だったんですよね。主知ってます？ あの後かまくらから出たいち兄、主からいい匂いがしたって顔赤くし……」
「いい加減にしなさい！」
ゴツッとすごく痛そうな音がしたのは、一期君が鯰尾君にゲンコツを振り下ろしたからだ。
94.【番外編】長男として��→←92.【番外編】長男として��
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 287人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ツキノ(プロフ) - この作品が大好きです。。もう何周もしてます…こんな素敵な作品をありがとうございます！ (2022年1月17日 0時) (
レス) @page50 id: b34edaf8ba (このIDを非表示/違反報告)
尊 - 最期まで清く上品な作品でした。素敵な作品を読めて幸せです！ (2020年5月6日 14時) (レス) id: 83655268b3 (このIDを非表示/違反報告)
テクノ(プロフ) - とても感動しました。皆が幸せになってくれて良かった。 (2019年3月21日 1時) (レス) id: 5d0adffebe (このIDを非表示/違反報告)
アオト(プロフ) - 桜餅さんさん» 気に入っていただけて嬉しいです！紳士でロイヤルな一期君も勿論ですが、少しヘタレだといいなという私の願望を詰め込みました（笑）いえいえ、こちらこそ楽しいリクエストありがとうございます！ (2017年9月23日 15時) (レス) id: a3077fa68a (このIDを非表示/違反報告)
桜餅さん(プロフ) - こういう一期さん待ってましたありがとうございます（遺言） (2017年9月23日 14時) (レス) id: 75edde69e3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アオト
| 作成日時：2017年8月12日 0時
