06.鶴丸国永の話 ページ8
俺は鶴丸国永。
五条の手によってつくられた太刀だ。
時代というものはやはり予測のつかない驚きに満ち溢れていて、まさか刀である俺が人の姿を得ることができるなんて、誰が想像できたか？
こうして自由に使える手足があり、言葉で己の意思を伝えられる。
──そして、大好きな主がいる。
「やあ主。少し肌寒いが、今日も今日とていい天気だな」
にかっと笑いそちらへ目をやれば、縁側に座りながらのんびりお茶を飲む彼女がいて、その視線の先には一面の雪景色が。そして主は「眠たくなっちゃうねぇ……」と言葉を漏らした。
こんなに晴れた日なんだから、眠ってしまうなんてもったいない。
「ならば、そんな君に最高の驚きをもたらしてやろう！」
「うわ絶対にロクでもないこと考えてるよ……」
「なーに、心配することはない。死にはしないさ」
「死にかけるの！？」
明らかに怪訝な顔をする主。若干心外ではあるが、それもこれからの驚きについて考えると、わくわくで霞んでしまった。
ははは、平安の刀を見くびらないでほしいな。
そうして俺は主の元を後にした。
◆◆◆
「おーい鳴狐。疲れているところ悪いが、少し手を貸してくれないか」
内番終わりらしい鳴狐を呼び止めれば、お供の狐がひょっこりと姿を現した。
「おや、いかがなさいましたか鶴丸どの」
「いやなぁ、主があまりにも退屈そうだったから、少し驚かせてやりたいと思って。君もどうだい」
答えは決まっている。鳴狐はコクンと頷いた。
さて、本気を出しますか。
「────……だーれだ！」
気配を限りなく消して、主の目を後ろから塞ぐ。予期してなかった驚きに動揺する主も面白いが、「いででで！ 目が潰れる！」と結構マジで叫び出したので俺はすぐに手を離した。
「正解は俺だ！ わははは、驚いたか！」
「危うく五感の一つを失うとこだったわコノヤロー！」
「まあまあそう怒らないでくれ。とびきりの驚きを他に用意してるからな」
「死刑宣告のように恐ろしい！」
警戒心剥き出しの主をなだめて、とりあえずもう一度目を閉じるように促した。しかしまだ微妙に俺を疑っているようで、チラチラと薄目で辺りを見渡している。
全く、それじゃあ驚きにならないじゃないだろう。
かといって手頃な目隠しも持ち合わせていなかったので、悩みぬいた末に俺は一旦鳴狐の元へと向かった。そしてまたすぐに戻って来る。
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アオト(プロフ) - 心魄さん» 返事が遅れてしまいすみません〜〜！お褒めいただき大変嬉しく思います。これからも更新頑張りますので、応援よろしくお願いいたします！コメントありがとうございました。 (2017年5月29日 22時) (
レス) id: a3077fa68a (このIDを非表示/違反報告)
心魄 - 面白いですね！(上から目線ぽくてすみません！)これからも更新頑張ってください(*^▽^)/★*☆♪この作品大好きです♪ (2017年5月22日 21時) (レス) id: 662403215f (このIDを非表示/違反報告)
アオト(プロフ) - あやとり猫さん» コメントありがとうございます！さ、最高ですと……！？嬉しいです感激です！夢主ちゃんが気に入っていただけて良かったです。なるべく標準的な女の子にしようと心がけているので共感していただけると幸いです！はい、これからも更新頑張ります。応援感謝です！ (2017年3月22日 22時) (レス) id: a3077fa68a (このIDを非表示/違反報告)
あやとり猫(プロフ) - 初コメ失礼します!!えっえっなにこれ最高ですか(最高です) 演練での完全勝利Sおめでとう夢主ちゃん!!(( 夢主ちゃんが私の化身なんじゃないかってぐらいそっくりです(笑) これからもゆるりと頑張ってください(*^^*)更新お待ちしております!! (2017年3月21日 14時) (レス) id: ace5edcb89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオト
| 作成日時：2017年1月8日 15時
