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「どうしてこんなに大切なことを教えてくれなかったの？ まあ僕が知らなかったのは百歩譲って許したとして、その様子じゃ初期刀の加州君にも伝えてないみたいだね。ねぇ主。君にとってはわざわざ祝う必要のない些事かもしれない。でもさっきも言ったとおり、臣下にとって仕える人の誕生日はすごく大切な日なんだよ！ その重み、わかる？」
お、重いなぁ〜〜〜(燭台切が)。
ぐいっと彼が顔を寄せてくるが、私はそれを知らんふりして右に視線を背ける。
「大切大切っていう割には、今の今まで一度も誕生日に触れてこなかったじゃん」
「それはてっきり加州君が君の誕生日を認知してると思ってたからだよ！ でも、まだ言ってないんだよね？」
「……イエス」
「もー！」
燭台切は非常にマメな男だ。
事あるごとにめでたいからと理由をつけては、めちゃくちゃ豪華な夕餉を作る。いや、個人的にはうれしいよ？ 豪華といえどしっかり予算内に抑えてくれるし、文句無しに美味しいし。
こういう彼氏がいたら毎日お姫様扱いされて、いつまでもいつまでも尽くされるんだろうな。果たして私にそんな幸せは訪れるのか。
若干現実逃避に走ってしまっている私と、それに気づく事なくくどくどと叱り続ける燭台切。
そんな矢先、異変を感じ取ったのか、はたまたつまみ食いでも企んでいるのか、厨房に来た刀が数振り私達を見て驚いていた。
「今度は何をやらかしたんだ、主？」
「ていうか、主がここに立つなんて久しぶりじゃない？」
「へぇ、ぬし様は料理をなされるのですね。……では、小狐はぬし様の作られた稲荷寿司が食べとうございます」
鶴丸、加州、小狐丸が口々に言う。
そんな彼らを見て、待ってましたと言わんばかりに身を乗り出したのが燭台切。そしてそのまま、全ての経緯をご丁寧にわかりやすく吐露してしまった。
「……ひぃっ」
ニコニコニコニコ、さっきまでそんな笑顔を浮かべていた三振りの表情がぴしりと硬くなる。あれ、これ検非違使見つけた時の顔じゃね？
「君、どうして俺に言わなかったんだ？」
「ぬし様は小狐に祝われるのはお嫌ですか？」
鶴丸からは怒り、小狐丸からは焦りが伺える。
そして加州からは──、
「うぅっ……俺、初期刀なのにっ、主の誕生日、考えたこともなかったぁ……！ 俺のバカっ！ 近侍失格！ 切腹待った無し！」
今にも滝壺に飛び込んでしまいそうなほど、重々しい悲しみを感じるのだった。
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アオト(プロフ) - 心魄さん» 返事が遅れてしまいすみません〜〜！お褒めいただき大変嬉しく思います。これからも更新頑張りますので、応援よろしくお願いいたします！コメントありがとうございました。 (2017年5月29日 22時) (
レス) id: a3077fa68a (このIDを非表示/違反報告)
心魄 - 面白いですね！(上から目線ぽくてすみません！)これからも更新頑張ってください(*^▽^)/★*☆♪この作品大好きです♪ (2017年5月22日 21時) (レス) id: 662403215f (このIDを非表示/違反報告)
アオト(プロフ) - あやとり猫さん» コメントありがとうございます！さ、最高ですと……！？嬉しいです感激です！夢主ちゃんが気に入っていただけて良かったです。なるべく標準的な女の子にしようと心がけているので共感していただけると幸いです！はい、これからも更新頑張ります。応援感謝です！ (2017年3月22日 22時) (レス) id: a3077fa68a (このIDを非表示/違反報告)
あやとり猫(プロフ) - 初コメ失礼します!!えっえっなにこれ最高ですか(最高です) 演練での完全勝利Sおめでとう夢主ちゃん!!(( 夢主ちゃんが私の化身なんじゃないかってぐらいそっくりです(笑) これからもゆるりと頑張ってください(*^^*)更新お待ちしております!! (2017年3月21日 14時) (レス) id: ace5edcb89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオト
| 作成日時：2017年1月8日 15時
