03.*〃 ページ5
「今剣君、あーそびーましょ！ ……あれ？」
いない。部屋はもぬけの殻だ。
どこに行ったんだろ？ と縁側で立ち尽くしながら首を傾げた時、その傾げた方向から死ぬほど冷たい何かがボフッと私にぶつかった。
ただでさえ雪も積もっててバカ寒いというのに……あっ、この感覚は雪玉だな？
「わはははっ！ 奇襲に成功！ どうだ驚いたか！」
「でたな鶴丸！ なんとなくそんな気はしてたよ！」
白い袴のせいで雪景色に完全に溶け込んでいる彼は、平安生まれのいわゆるジジイだ。それなのに言動ときたら、現世にもいるクソガキによーく似ている。
ひとまず私はトランプをその場に起き、裸足のままであることを気にもとめず、真っ白な庭に飛び出た。そしてすぐさま足元の雪を拾い上げ丸くする。
「私を敵に回すなんて大した度胸だな、この驚きジジイ！」
「その驚きジジイの攻撃を避けきれずに見事喰らった感想はどうだ？」
「リアルにムカつく……ちょっと待ってて、今雪靴とってくるから。本気だすもんね！」
「はっはっは、主と雪合戦とは驚きだな。しかし、君の機動力じゃ俺には到底及ばないと思うが？」
「わ、私だって真剣必殺とかできるから！」
たまにできるから！ 歯磨きしてる時とか！
私の言葉を聞いてギャハギャハ笑う鶴丸に軽く殺意を覚えたので、そろそろ一騎打ちを始めたいと思います。
「……現世っ子なめるな！」
様子見、ということで雪玉を投げてみる。言わずもがな、鶴丸は「はっ、遅い遅い」と笑いながら身軽に避けた。
やっぱり私一人では不利すぎるか。
どうする？ この圧倒的格差をどう埋める？
ふと、後方から聞こえた縁側を歩く足音。
刀剣男士の気配を察知した私。振り返れば、なにやら暇を持て余してそうな薬研がいて。
はい短刀きたナイス！
心の中でガッツポーズを決めたあと、すかさず「薬研！ ヘルプ！」と叫べば、察しのいい彼は私と鶴丸さんを交互に見て、ニヤリと妖しく口元を緩めた。
「任せな大将。鶴丸の旦那に恨みはないが、柄まで通してみせる」
「ちょっ！？ 短刀を味方につけるなんて卑怯じゃないか君！？」
「争いに卑怯なんて言葉は存在しませんー」
見るからに不満げな顔の鶴丸。
「君がそういうつもりなら俺にも策がある。……おーい！ 悪いが加勢してくれないか、そこの博多藤四郎と愛染国俊、鯰尾藤四郎！」
────は？
いやいや、嘘でしよ？
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アオト(プロフ) - 心魄さん» 返事が遅れてしまいすみません〜〜！お褒めいただき大変嬉しく思います。これからも更新頑張りますので、応援よろしくお願いいたします！コメントありがとうございました。 (2017年5月29日 22時) (
レス) id: a3077fa68a (このIDを非表示/違反報告)
心魄 - 面白いですね！(上から目線ぽくてすみません！)これからも更新頑張ってください(*^▽^)/★*☆♪この作品大好きです♪ (2017年5月22日 21時) (レス) id: 662403215f (このIDを非表示/違反報告)
アオト(プロフ) - あやとり猫さん» コメントありがとうございます！さ、最高ですと……！？嬉しいです感激です！夢主ちゃんが気に入っていただけて良かったです。なるべく標準的な女の子にしようと心がけているので共感していただけると幸いです！はい、これからも更新頑張ります。応援感謝です！ (2017年3月22日 22時) (レス) id: a3077fa68a (このIDを非表示/違反報告)
あやとり猫(プロフ) - 初コメ失礼します!!えっえっなにこれ最高ですか(最高です) 演練での完全勝利Sおめでとう夢主ちゃん!!(( 夢主ちゃんが私の化身なんじゃないかってぐらいそっくりです(笑) これからもゆるりと頑張ってください(*^^*)更新お待ちしております!! (2017年3月21日 14時) (レス) id: ace5edcb89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオト
| 作成日時：2017年1月8日 15時
