34.*私の話 ページ36
「あっつい……脳みそ蒸発する」
うー、と呻きながら私は仰向けに倒れた。嫌な汗がじっとり首筋を伝い、やがて畳にシミを作る。節約のためとエアコンを使用禁止にして扇風機を導入したのはつい先日のことだ。
気がつけば梅雨が終わっていた。つまり夏が近い。
そして冒頭のとおり暑い。暑い暑い暑い暑い。扇風機なんか気休めにもならない。もうやばい。著しい語彙力の低下もきっとこの暑さのせいだ。
とにかく、私はバテていた。
こうなったらもうアレしかないよね。
◆◆◆
私はホース片手に高らかと笑う。
「わっはっはっは！ 喜べ刀どもー！ 冷却水よりいいものをくれてやろう！」
「プール解禁だぁぁぁ！」
ひゃっほう！ と水いっぱいのビニールプールに飛び込んだのは鯰尾藤四郎。そして続くように短刀達も入水し、きゃっきゃっと楽しそうに戯れ始めた。
「この時のために注文しててよかったー！」
もしかすると、刀剣男士も夏の暑さには弱いかもしれない。そんな懸念を抱いた先々月に購入したこのビニールプール。
我ながら自分の有能さに鳥肌が立つが、何より嬉しそうな刀達を見て私の心が癒される。みんなの着けてる水着は量産型の安物だけど、そこは許してくれるよね。
「あるじさまー！ とってもきもちいいです！」
「主君もこっちに来てください！」
可愛らしい彼らに私はウンウンと頷く。
「ていうか、主の水着……どうなってるんですか？」
不意打ちできた鯰尾の疑問に、私は自らの体を見下ろす。どうなってるんですかって……普通のビキニだけど。通販でセールしていた安いビキニですけども。
「なにかおかしい？」
「ん〜〜……おかしいっていうか、主って丸いんですね」
「えぇ！？ 何それ！？ 太ってるってこと！？」
「ち、違いますよ！ そういう意味じゃなくって、なんていうか、ほら、お餅みたいな！ 柔らかそう！」
「この野郎」
私はホースの先端をぐいっと押しつぶし、鯰尾めがけてジェット噴射。痛い痛いくすぐったい、と鯰尾はアホ毛をヒョコヒョコ揺らした。
全く……長男坊の一期一振はあんなにも紳士でロイヤル王子とも謳われる刀なのに、このデリカシーのデの字もない脇差は何なんだ。
「主様、僕達と遊んでくれるのは嬉しいんですが……仕事の方は大丈夫なんですか？」
「大丈夫だよ五虎退。ちゃんと後で片付けるから。今は気分転換ってね」
「そうですか！」
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アオト(プロフ) - 心魄さん» 返事が遅れてしまいすみません〜〜！お褒めいただき大変嬉しく思います。これからも更新頑張りますので、応援よろしくお願いいたします！コメントありがとうございました。 (2017年5月29日 22時) (
レス) id: a3077fa68a (このIDを非表示/違反報告)
心魄 - 面白いですね！(上から目線ぽくてすみません！)これからも更新頑張ってください(*^▽^)/★*☆♪この作品大好きです♪ (2017年5月22日 21時) (レス) id: 662403215f (このIDを非表示/違反報告)
アオト(プロフ) - あやとり猫さん» コメントありがとうございます！さ、最高ですと……！？嬉しいです感激です！夢主ちゃんが気に入っていただけて良かったです。なるべく標準的な女の子にしようと心がけているので共感していただけると幸いです！はい、これからも更新頑張ります。応援感謝です！ (2017年3月22日 22時) (レス) id: a3077fa68a (このIDを非表示/違反報告)
あやとり猫(プロフ) - 初コメ失礼します!!えっえっなにこれ最高ですか(最高です) 演練での完全勝利Sおめでとう夢主ちゃん!!(( 夢主ちゃんが私の化身なんじゃないかってぐらいそっくりです(笑) これからもゆるりと頑張ってください(*^^*)更新お待ちしております!! (2017年3月21日 14時) (レス) id: ace5edcb89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオト
| 作成日時：2017年1月8日 15時
