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──ドォンッ
真っ暗な夜空を彩るように、色鮮やかな花火が舞った。しかしその花火が"綺麗"でいられるのは一瞬だけで、すぐに散ってしまう。
その儚さゆえに、人々は心を奪われるのかもしれない。
俺の隣で、目を輝かせながら空を見上げるAさん。さらにその隣にいるチャイナがうっとおしくて仕方がないが、まあ今回だけは許してやる。
「沖田さん、お祭りに誘ってくれてありがとうございます」
「また来年も行きましょう」
「はい」
静かに歩み寄り、彼女の小さな手を握る。
「……ゲフン!じゃあ、俺達はそろそろ帰るとするか」
その言葉に振り返ると、手をひらりと降る旦那がいて。どうやら色々と察してくれたらしい。まあ、ここにきて気を遣うなら最初から絡まないでくれると助かるのだが。
「神楽ァ、こっち来い。もう帰るぞ」
「えーやだアル。もう少しAといたいネ」
「んなこと言ってると、綿あめ買ってやんねーぞ」
そのセリフに、チャイナは物凄い勢いで旦那とメガネの元へ走っていた。思考回路までマヌケだ。
……不本意だが、旦那には感謝しなきゃな。
見た目はパッパラパーだが、なんだかんだ空気を読むタイプなのだあの人は。そしてそのおかげでようやくAさんと2人きりになれた。
「楽しい人達ですね。羨ましいです」
「そうですかィ。こっちは会いたくねェんですけどね。腐れ縁ってやつは不思議でさァ……」
小さく笑うAさん。その笑顔を見ただけで、今さっきまでの苛立ちが嘘のように消えた。
自然に彼女の頬へ伸びる手。
それに抵抗することなく。
徐々に縮まる距離と、伏せられた目。
地面に映っていた2つの影が重なった。
「……愛してる」
「私もです」
終わり。
▼ラムさんリクエストありがとうございました。
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特撮オタク女子 - とても面白かったです!ありがとうございます! (2019年8月15日 20時) (レス) id: f9b0269678 (このIDを非表示/違反報告)
モモ - すごくおもしろかったです! 文を書くのがお上手ですね〜! このお話に出会えて良かった! (2018年3月2日 18時) (レス) id: f7a865ee48 (このIDを非表示/違反報告)
アオト(プロフ) - 美空さん» 美空さんコメントありがとうございます!返事がかなり遅れてしまい申し訳ございません!わ、お気に入り作品に登録してくださり感謝です!ましてや作者にまで登録だなんて……!?とても嬉しいです。これからも頑張ります! (2018年1月13日 21時) (レス) id: a3077fa68a (このIDを非表示/違反報告)
美空(プロフ) - 悪女のいろは、読ませていただきました!ほんとに面白かったです(〃▽〃)読み出したら止まらなくなっちゃって、お気に入り作品&作者に登録させてもらいました!(^o^)/ (2017年2月5日 3時) (レス) id: c3845c95d7 (このIDを非表示/違反報告)
鈴村 - 面白いです (2015年5月31日 17時) (レス) id: 56954dcc8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アオト | 作成日時:2015年2月20日 18時