検索窓
今日:24 hit、昨日:4 hit、合計:125,805 hit

ページ34

数分歩いてごく一般的な一軒家の前まで行く









ゆっくりインターホンを押すと








神宮寺「はい?」






「勇太、わたし。」







神宮寺「えっ? A?」









プツリと声が消えてすぐにドタドタと足音が聞こえて鍵が開く音がしていつものようにばっちり髪をセットしてない勇太が顔を出した。









神宮寺「…入って」


「いや、クッキー渡すだけだし。はい。」









いかにも事務的な感じでクッキーを差し出すと勇太は一瞬寂しそうな顔をした。
ぺしゃんこな髪型とかラフな部屋着のせいなのかいつもよりかわいく見えて









じゃ、一緒に食べない?







と言って気がつけば家に上がっていた。
















神宮寺「飲み物、何がいい?」



「ええと、紅茶。」









紅茶ね、と言って慣れた手つきでカップにお茶を注いで置いてくれる。









チャラい見かけのわりにやることはいちいち
スマートで紳士的。
こいつがモテるのも一理ある。









神宮寺「やっぱおばさんのクッキーうまいな。

めっちゃ懐かしいわ。俺、これ好きだよ。」









好き、ね。





そういやわたしこの前遠回しに告白されたような気がしたけど。 そんなの忘れてるのかな。









そんなの忘れてるよね……









「それなら、わたしもお母さんにクッキーの作りかた教えてもらおっかなぁ……」









いいんじゃないの、と勇太は言って
紅茶をすする。









「ね、今度のプロムに出なきゃいけないんだけど……良かったらペアになってくれない?」







少しの間、沈黙があった。


落ち着きがなくわたしはカップの端をなぞった









神宮寺「……悪りぃ。 俺、そういうのはマジ勘弁しとくわ。 ごめんな。」






すまなさそうに笑う。







「そうだよね! 面倒くさいもんね!

まあ、わたしも別に一人でいいし!」









と言ってわたしは黙って紅茶をすすった。









別に、一人でいいし。




何言ってんの。






ダメージ受けてんのに






断られたことよりも
ごめんな。と言う勇太の笑顔にずきりと胸の中にガラスの破片が刺さったみたいに痛かった。








紅茶に映る冴えない自分の顔を見ると
なんだか無性に腹が立って、
ごくりと紅茶を飲み干した。
















お星様が赤!
これって殿堂入りってやつですか!?

ありがとうございます(*^^*)
ラストまでもう少し…!

☆→←☆



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (232 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
351人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

紫侑香(プロフ) - おもしろかったです! (2015年5月30日 6時) (レス) id: 90ee84403c (このIDを非表示/違反報告)
みるみ。(プロフ) - *。・岸 優太。・*さん» ありがとうございます! これからもネタが尽きない限りは頑張りたいです!新作もよろしくです♪ (2015年4月14日 20時) (レス) id: f02df25de8 (このIDを非表示/違反報告)
みるみ。(プロフ) - 白雪姫*さん» ありがとうございます! 新作も頑張ります(*^^*) (2015年4月14日 20時) (レス) id: f02df25de8 (このIDを非表示/違反報告)
*。・岸 優太。・* - 完結オメデトゥ!!こういうの好きです!!これからもたくさん作品つくってくださいネ!応援してますっっ!! (2015年4月13日 21時) (レス) id: 52e13b381a (このIDを非表示/違反報告)
白雪姫*(プロフ) - 完結おめでとうございます!!凄く面白かったです(*´∀`)みるみ。さんの新作待ってマス☆ (2015年4月13日 18時) (レス) id: d1428fae49 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みるみ | 作成日時:2015年3月26日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。