ポエムではないのだが ページ10
オシリスの提案、ポエムなんだけど、チョコソースより持ちの良さそうなアイシングを採用した。
ので、オシリスのみんなにはアイシングを作ってもらうところからお願いしたんだけど…
「難しいな、これ」
「思ったより固まっちまうな…」
「え、そう？俺全然固まんねーけど…」
まあ難しいよなぁ…
「ちゃんとレシピ通り計らないからそうなるんです」
レイくんと進くんに比べて、真琴くんは比較的丁度良さそうなアイシングが出来上がってる。
「料理なんて目分量だろ」
「それは普段から作り慣れてる物を作る人が言う言葉です。アイシングなんか初めてなうえに、レイさんあまり普段から料理しないじゃないですか」
『大丈夫そう…？』
私はみんなに声をかける。
「まー、まこっちゃんが作れてるし何とかなんじゃね？」
『いやぁ、流石に真琴くんが作った分だけじゃ足りないんじゃ…？』
「見た感じ、レイさんと進さんの作ったものを合わせれば丁度いい固さになりそうですし、量は足りると思います」
「最終的にまこっちゃんも目分量じゃねーか」
「これは自分のを作り終えた経験による判断です！」
相変わらずだな、この人たち…
「ところで京は、何書くか決めたか？」
進くんが京くんに話を振る。
「ありがとう…しか浮ばない…」
「ありがとう？そんな単純でいいのか？」
「それに、1周年を祝うのだから、おめでとうじゃないんですか？」
京くんは腕を組み、黙ってしまう。
(確かに…真琴の言う通りだが…
そもそも何の1周年記念なのかは放置されている…ただ、少なくともオシリスや俺はこの1年、沢山の人に支えてもらってここまで歩んでこれた…
1周年と言われると…周りへの感謝の気持ちが溢れ出す…
これに相応しい言葉は、単純だが…ありがとう以外の何物でもない…)
「これでいい…」
色々考えた結果そうなるんだね…
考えてた事、口に出せばもっと周りの理解を得られると思うんだけど…
「まー京ちゃんが良いって言うならいいけどよ。ポエムじゃないの、なんかちょっと残念だよなー」
元々ポエムじゃないらしいよ、あれ。
「じゃあ折角だし、俺達も一言添えようぜ」
「僕は別に…」
「そーだな！たまには俺達もポエム考えようぜ！」
『え、いや、ありがとうだけでいいと思うな…』
京くんの想いを分かってると、ポエムは要らないと思うし…
それにレイくんのポエムとか…何故か不安でしかないし(笑)
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作者名：うみ | 作成日時：2017年10月22日 7時
