9 ページ10
【翼視点】
Aちゃんを迎えに行った優奈ちゃんが、お弁当だけ持って屋上に戻ってきた。
どうやら失敗したらしい…
｢と、いう事で、お弁当は貰ったけど、Aちゃんまでは連れてこれなかったよ｣
｢ん〜、だよねー。
まあ予想は出来てたんだけど…｣
取り敢えず宗介から少し離れたところで作戦を立て直す。
宗介はギターに集中してるんだか、Aちゃんのことが気がかりなんだかで、全くこっちの話に入ってこない。
それにしても、やっぱ昨日の今日で屋上に顔出せるほど、Aちゃんもメンタル強くないかぁ…
向こうもさすがに堪えたみたいだなぁ
｢どうしよう、二人の仲直り作戦失敗かな！？｣
｢シーッ！声が大きい！｣
｢あっ、ごめん…｣
屋上の片隅に小さく円陣を組んで、小声で作戦を練る。
｢宗介の事だし…そう簡単に謝るとは思えないんだよなぁ｣
｢まあ宗介先輩ですし…
てか宗介先輩は会わなくても平気なんスかね？｣
俺達はチラッと宗介の方を見る。
一応ギターを持ってはいるが、遠くを眺めてて全く作曲をしている感じではない。
｢どー見ても平気じゃないだろ！
昨日から全く作曲進んでないぞ！これじゃライブまでに新曲間に合わないんじゃないか？｣
｢それはヤバイっすね…｣
何とか仲直りさせる方法は…
俺が頭を悩ませていると、突然大和が口を挟んだ。
｢宗介に今のAの事、教えてやればいいんじゃないか？｣
｢は？｣
俺が理解する前に、大和は立ち上がって宗介の所へ行く。
｢なあ、宗介。今日Aに会ったか？｣
｢はぁ？別に会ってねーけど｣
大和、何をしでかす気だ？！
何となく嫌な予感がして、俺は大和を止めようと急ぐ。
｢A、体調悪いらしいぞ。宗介、会いに行ってやれよ｣
｢大和！お前何言ってんだ！｣
俺は大和の首根っこを掴んだが、一足遅かったようだ。
｢だって、好きな人が具合悪いって聞いたら心配するもんだろ？｣
｢それで素直に会いに行って、謝る宗介なら苦労しないんだよ！｣
｢…A、学校には来てんのか？｣
俺たちが言い合いをしていると、宗介が不意に口を挟んだ。
｢…え、あぁ、えっと…
来てるらしいけど…体調悪いから屋上には来れないって…｣
｢……そうかよ｣
宗介はそれだけ聞くと、またギターを弾き始めた。
あれっ…
もしかして、大和のこの策…
意外と効果ありそう…？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ねこやま - こんな宗介との夢小説を待ってました・・・！！とっても素敵でした！デレ宗介が私的にドストライクです(*^▽^*) (2017年9月10日 2時) (
レス) id: 235df810dc (このIDを非表示/違反報告)
しおすけ - 続きがどうなるのか気になります･･･！ これからも頑張って下さい！ (2017年8月15日 1時) (レス) id: e43c8046ad (このIDを非表示/違反報告)
バンド野郎(プロフ) - 宗介推しにはたまらないです！面白いです！これからも頑張って下さい！ (2017年8月7日 13時) (レス) id: a229efa11b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うみ | 作成日時：2017年8月7日 5時
