21 ページ22
公園についてベンチに座った。
ここはたまに宗介がギターを練習したりする時に来たことがある。
夜の公園は暗くて静かだった。
『あ、あの…ライブ、かっこよかった』
｢ん…｣
宗介は目を合わせてくれない…
やっぱり怒ってるのかな…
『えっと…その……
今日、新曲が出来なかったのって…私のせい、だよね…』
口に出したら、涙が溢れてきた。
私が急に泣き出したから、宗介もビックリしている。
『ごめん……私…宗介が音楽の事一番大事にしてるって分かってたのに…わがまま言って、迷惑かけて……』
『…今更、許してもらえるとは思ってないんだけど……どうしても謝りたかったの…
ごめん…ごめんね、宗介…』
｢…何でお前が謝るんだよ…｣
『えっ…？』
宗介が小声で言う。
私は驚いて顔を上げた。
｢…お前は…悪くねぇだろ。
あの時、俺が言い過ぎただけで…｣
『そ、そんなことない…だって…私がわがままだったから…』
｢そうやって…いつもお前に我慢させてんだって…アイツらに怒られた…｣
宗介は俯きがちに言う。我慢してるつもりは無かったんだけど…皆に心配させてしまったようだ…
『…ごめん…宗介に気を遣わせちゃったね。やっぱ、私のこと、嫌いになっちゃったよね…』
涙が込み上げた。でも、なんとか零さないように唇を噛む。
ここで泣いたら、また宗介に気を遣わせてしまう。
｢…嫌いになるわけねーだろ｣
『…えっ？』
答えは私の予想外のものだった。
『でも…別れようって…』
｢…それは…俺といると、お前色んなこと我慢して…それで苦しませてるって…
だったら、俺といない方が…いいんじゃねぇかなって｣
そんな風に思ってたんだ。
それを知ったら、抑えていた涙が一気に溢れ出した。
『そんなこと無いよ…！
確かに、寂しいなって思う時もあったけど…私、宗介と一緒に居れるだけで幸せなんだよ…！だから…』
私が泣きじゃくっていると、宗介が不意に私を抱きしめてくれた。
｢…悪かった。お前の事、考えたつもりで逆に傷付けちまったな…｣
宗介は私から手を離し、私の目を見て真剣に言う。
｢…なあ、A。
俺、こんなだし…きっとこの性格も治せねぇと思うけど……｣
｢Aが好きだ。
Aが嫌じゃなければ…やり直したい…｣
その言葉が嬉しくって、私は泣きながら宗介に抱きついた。
『私も宗介が好き…！大好きだよ！』
宗介は照れくさそうにしながらも、優しく頭を撫でてくれた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ねこやま - こんな宗介との夢小説を待ってました・・・！！とっても素敵でした！デレ宗介が私的にドストライクです(*^▽^*) (2017年9月10日 2時) (
レス) id: 235df810dc (このIDを非表示/違反報告)
しおすけ - 続きがどうなるのか気になります･･･！ これからも頑張って下さい！ (2017年8月15日 1時) (レス) id: e43c8046ad (このIDを非表示/違反報告)
バンド野郎(プロフ) - 宗介推しにはたまらないです！面白いです！これからも頑張って下さい！ (2017年8月7日 13時) (レス) id: a229efa11b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うみ | 作成日時：2017年8月7日 5時
