19 ページ20
すっかり陽も沈んだ夜の街は、大通りから聞こえる雑踏と、華々しい街の明かりに彩られている。
なにやってんだろ…私…
マスターと顔見知りだったこともあって、控え室の前までは普通に行けたんだけど…
ドアを開けようか悩んで、あっちこっちウロウロして…
最終的に、ライブハウスから出てきてしまった…
今日を逃したら謝る機会失いそうで…
会いにも行けず、帰るわけにもいかず…
ライブハウスの前で、まるで出待ちのようになっちゃってるんだが……
｢ねーねー、キミ〜！暗い顔してどーしたの？｣
『えっ？！』
急に現れた人影に、私はビックリして半身引いた。
私に声をかけたのは見知らぬ2人組の男性だった。歳は全然上に見える。
｢そんな顔してたら可愛いのが台無しだよ〜？ねえ、俺たちが楽しい所連れてってあげるから、一緒に遊ばない？｣
『い、いや…私ちょっと用が…』
本能的にヤバそうな人だと察して、私はゆっくり距離をあける。
その時、男性の1人が私の腕を掴んでグッと引き寄せた。
｢ちょっとだけ！ね！行こ〜！｣
半ば強引に私を引っ張っていこうとする。
『あのっ、私…ちょっと、離して…！』
｢おい、離せよ｣
不意に、私の手を掴んでいた男性の手を、割り込んできた人物が引き剥がした。
私の心臓がドキリと鳴る。
『…宗介』
宗介は男性と私の間に割り込むと、自分の影に私を隠すように、数歩私を下がらせた。
｢何？俺たちその子と話してたんだけど？｣
｢嫌がってんの、無理に連れてこうとしてる様にしか見えなかったけどな｣
｢はあ？ヒーロー気取りかなんか？ウザいよそーゆーの｣
男性2人組は宗介を睨んでいる。宗介も睨み返す。その場は一触即発状態だった。
私は怖くなって、思わず宗介の服の袖を握り締める。
｢…危ないから、下がってろ｣
『そ、宗介…』
思わず声が震える。
｢マジうぜぇ…どうやら痛い目にあわなきゃわかんねーみたいだな｣
男性達がジリジリと迫ってくる。
｢うわー、2対1って卑怯じゃない？おにーさんそれじゃモテないよ〜？｣
不意に声がして、そちらを見ると翼先輩さんがいた。
｢喧嘩か？よーし！俺も手伝うぜ！｣
その後から、大和先輩がひょこっと顔を出した。
さすがに男性2人組も怯む。
｢ちょっと先輩、荒事はなるべく控えて…｣
｢ヒィッ！｣
更に後ろから徹平くんが顔を出すと、男性2人組は腰を抜かして逃げ出した。
おかげでその場はなんとか収まった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ねこやま - こんな宗介との夢小説を待ってました・・・！！とっても素敵でした！デレ宗介が私的にドストライクです(*^▽^*) (2017年9月10日 2時) (
レス) id: 235df810dc (このIDを非表示/違反報告)
しおすけ - 続きがどうなるのか気になります･･･！ これからも頑張って下さい！ (2017年8月15日 1時) (レス) id: e43c8046ad (このIDを非表示/違反報告)
バンド野郎(プロフ) - 宗介推しにはたまらないです！面白いです！これからも頑張って下さい！ (2017年8月7日 13時) (レス) id: a229efa11b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うみ | 作成日時：2017年8月7日 5時
