2-3 仲直りのクッキー ページ6
小夜｢ここで、仕事してる｣
乱｢こっこんなところで？｣
小夜｢うん｣
小夜くんが案内してくれたのは、昼までも陰っていて、滅多に人が来ない離れの奥の部屋
たしかに、中からは光が漏れていた
小夜｢一人で、沢山の資料やってた｣
乱｢一人でって…｣
小夜くんの発言に、少しむっとする
しかし小夜くんは、そんな僕に目もむけず
小夜｢あ、僕。宗三兄様に呼ばれてるんだった…じゃあ｣
乱｢えっ、ちょっ！｣
元来た道を歩いていった
乱｢行っちゃった…｣
｢誰｣
いつ入ろうかと、部屋の前で右往左往していると、中から少し低く、掠れた声が聞こえた
びくっ、と肩が揺れる
｢さっきから、部屋の前で騒いでるけどー…私に用かな。入れば？｣
乱｢うぇっ、…おっ、お邪魔します｣
｢いらっしゃい。
乱、｣
そう言った零の目の下には隈ができていて、周りを資料が囲んでいた
乱｢うん…｣
｢どうした？珍しいね｣
資料から目を離さないで、僕に話しかける零
乱｢っ実はね！！｣
｢厚と喧嘩？またか｣
乱｢うっ…｣
｢ﾊｧ…なんでそんなことになったの｣
乱｢あのね！！厚ったらね、僕の大事な爪紅割ったんだよ！｣
｢あらら…｣
乱｢なのにね！！そんな所に置いておくからだろ！！って責任逃れするんだよ！！｣
｢そっか。で？それに腹立ててるの？｣
乱｢そう！！なのに、主さんもいちにいも曖昧な言い方するんだよ！！酷いでしょ！！｣
｢そっかー…
でも、厚とちゃんと話した？｣
乱｢知らない！！勝手に出てった！｣
｢乱。｣
乱｢なに！！｣
｢何処に置いてたの？爪紅｣
乱｢え？えっと…床｣
｢…なんでそんな所においといたの｣
乱｢すぐ使う予定だったから…｣
｢そっか。じゃあ、話を聞かないでぷいってした厚も悪いけど、危ないのに床に割れ物を置いてた事は、乱の不注意｣
乱｢う゛…｣
｢どっちも悪い所あった。はい、仲直りしに行く｣
そう言って、部屋から追い出された
乱｢もー！零までなんなの！！｣
『危ないのに…』
乱｢…｣
『仲直りしたら、広間おいで』
そう言って、襖を閉めた零
…何、作ってくれるのかな
わくわくしながら厚の所に謝りに行く
＿＿もう、喧嘩のことはどうでも良くなっていた
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作者名：46猫 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年1月26日 23時
