9-1 悪夢のあとの ページ30
｢っ…！｣
乱れた呼吸
…目覚めが悪い
まだ日の登らぬ暗い深夜
消えたロウソクに火をつけて、闇夜の中、資料を進めた
ｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛ…
｢！(今夜は酷い天気…)｣
大粒の雨が、風によってそこら中に撒き散らされ、遠くでは雷がなり続ける
ふと、一人の槍を思い出した
｢(…思い出したからってくるか普通…)｣
今夜は、蜻蛉切と日本号は遠征でいない
つい、心配で何も羽織らずに部屋を飛び出したけれど…そんな…
｢…ぐ…あつ…｣
｢！ぎね！｣
御手杵の声に驚いて入ると、うなされている彼がいた
｢ぎね！ぎね！！起きて！！｣
御手杵｢……ぐ…う…あ…零…？｣
｢うん……｣
汗をかいて、もそりと起き上がる御手杵に、安堵の息を吐いた
御手杵｢…もしかして、来てくれたのか？
嬉しいなあ｣
｢嵐みたいな夜だったから、昔を思い出しちゃって
ねえ、ぎね。私も眠れないの
一緒にホットミルクでもどう？｣
御手杵｢おー！同田貫も誘おうぜ！｣
｢仲良しね。二人は｣
くすりと笑って、外に出る
先程より雨は上がっていた
｢(さむ…)…行きましょ。ぎね｣
御手杵｢あー！待て待て！えーと…あった！
これ羽織っとけ！やっと風邪治したんだから！｣
｢…あ、ありがとう…｣
ぱさりと肩にかけられたのは、御手杵のジャージ
お礼を言うと、明るく笑って、「おう」といった
いつの間にか、手を握られて、同田貫の部屋に先導する彼は、悪夢なんか忘れているようだ
……にしても、見えてるの？
御手杵｢おーい！同田貫ー！」
同田貫｢ぐおー…ぐおー…｣
｢超ぐっすり。いけ。ぎね｣
御手杵｢うえー…後で俺怒られる…｣
｢いつもじゃない｣
御手杵｢それもそうか｣
｢(ちょろぎね)｣
御手杵｢どーたぬき！ホットミルク飲もうぜ！｣
ドサッ
同田貫｢ぐふっ｣
御手杵｢はよ｣
同田貫｢まだ夜じゃね｣
｢しーっ！たぬき。まだ深夜よ｣
同田貫｢……(外は嵐気味の雨風。汗をかいた二人。深夜にニヤけて俺を起こす)
ああ、ホットミルクか。行こうぜ｣
「「さすが」」
布団からさっさと立ち上がって、部屋から出たたぬきを追って急いで出る
後ろからは、ぎねがゆっくりと出てきていた
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作者名：46猫 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年1月26日 23時
