5-4 さよならのおにぎり ページ20
青江｢…これ、いらないかい？｣
青江｢…お腹、減っているんだってね。
やっぱり、いらない？君は…僕の事、嫌いだもんね｣
青江｢お顔、見せてくれる？｣
幼子と、目をあわせられるように。青江はしゃがんで、優しく語りかけた
そっ、と優しく幼子の髪をどかして、一度下を向いてからもう一度幼子を見つめた
｢＿＿＿＿ああ。嫌いな奴の顔になるまできらい、なんだね…｣
泣きそうな声で、でも。酷く落ち着いて、にへりと笑って言った
そんな彼のまわりに、悪霊が集まり始めた
そして、
一瞬で彼が悪霊を叩き斬った
｢…｣
青江｢そうだ。僕は、幽霊斬りの刀。なんで、君たちに優しくしたんだっけね
さあ…斬られたい奴から来なよ。相手、してあげるよ｣
真っ黒な、悪霊が居なくなって、
幼子だけが残った
青江｢＿＿＿ごめんね｣
そう言って、辛そうな顔で彼女を斬った
霊を、すべて斬った青江は、その場に座り込んだ
おにぎりは、近くで、ぐしゃりとなっていた
｢…お疲れ様。青江、おにぎり食べましょう｣
青江｢…ああ、そうだね｣
かなしそうな顔で、青江は、塩むすびを口にいれた
｢美味しい？｣
青江｢ああ…おいしい…｣
泣きながら食べる青江、
青江｢しょっぱいね…｣
なんて、いつもの笑った顔で言う青江に、私は
｢塩、たくさん振っといたからね。仕方ないよ｣
と答えた。すると青江は小さく｢そっか…｣と残っていたおにぎりを口に入れてもう一度
青江｢やっぱりしょっぱいや｣
と笑った
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作者名：46猫 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年1月26日 23時
