4人いた【呪術廻戦】 (ページ4)

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◽️間白Aは生粋の野良術師であった。
　生まれながらに術式を持ち、受肉は羂索の思惑とは関係がなく、呪術高専とは何1つとして関わったことがない。
　しかも、彼女の術式は五条を封印している獄門疆を解除できる可能性がある。仮に虎杖たちが天使との交渉に失敗しても保険ができる。
　乙骨にとって、間白はどうしても仲間に引き入れたい人材だ。

「なるほど、羂索ってやつが黒幕。けど、そんな大事な情報をなぜ。私が貴方たちの仲間になる保証はないでしょうに」
「ここの様子を見れば、アナタが善い人だってことはわかります」

　この緊迫下、かつ赤の他人との集団生活の中では多少空気は悪くなる。けど、ここにはそれがない。

「死滅回遊を終わらせるためなら、アナタは手助けをしてくれるはずだ」
「まぁ、断る理由はないからね。借りを作ったわけだし。いいよ。アナタたちの仲間になる。あ、けど、その前に1つ聞きたいことがあるんだ」

　間白は大きく息を吐いた。その表情はこわばっている。

「もしも、命１つで、この死滅回遊がなかったことになるなら。貴方は自分の命を捧げる？」

　試されていると思った。
　乙骨は間白から瞳を逸さずに答える。

「もちろん捧げるよ」

♦︎♦︎♦︎

　11月10日。
　乙骨が間白に接触する1日前。

　──A。もう、日本はダメだ。脱出する手筈を考えるぞ。
「はぁ？ここの人たちはどうするの？！」
　──今は他人より、自分を優先しろ。

　外は一度出ればあらゆる全てが敵の戦場。そんな中、間白だけで避難民を匿うのは無理だと"猿の手"は考えた。
　間白自身の戦闘経験は皆無。味方になってくれる術師がいる希望はない。このままでジリ貧になって全滅する未来が目に見える。

「……おじさん。私の命を使えば、この人たちは助かる？」
　──何を言ってるんだ！馬鹿な考えはやめろ！
「おじさんだって、この方が都合がいいでしょ！」

　"猿の手"は一瞬、間白が何を言っているのかわからなかった。