幕間 最高で最悪の結末 ページ16
◽️間白が拘束されて13日目の夜。
五条は財布だけ持って、京都にある自分の実家へ向かった。そして、敷地内にいた人間を全員殺した。
高専の寮に戻ったのは翌日の早朝。
無下限呪術のお陰で体のどこにも血はついていない。しかし、強烈な死の気配を纏って、夏油の部屋の扉を叩いた。
夏油は異常な気配を察知していたのか、3回目のノックで扉を開けた。
「悟……」
「A。もう、殺されたかもしれない」
五条から見た間白は「器用なやつ」という評価だった。
入学前から間白の噂は聞いていた。何でも叶える呪物の受肉体だと。しかも、非術師の家系。
五条にとって、これほど退屈凌ぎに最適な玩具いなかった。
だから、無茶振りを繰り返した。しかし、間白は一度たりとて失敗したことはなかった。
あの澄ました顔を崩したくて、悪戯も仕掛けた。時たま引っかかることもあるが、必ず倍返しされる。
1番印象に残っている仕返しは1年生の時。持っている全ての靴が歩くたびにプープー鳴るよう改造された。
夏油と家入に死ぬほど笑われたのが、記憶に新しい。
限りなく完璧。失敗してもただじゃ起き上がらない。
特に死んだと思っていた天内が生きていて、その側に間白がいた時は「マジか」と思った。
夏油と組めば、怖いものなしの最強と思っていたと同じく。間白は何があっても問題なく解決する。拘束されていたって、上のジジイどもを手玉に取って出てくるんじゃないか。そう思っていた。
46人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:四畳間 | 作成日時:2024年2月20日 18時