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〜4〜 ページ13

「なるほど、お前は暗殺者との手続きのために残ったただの代表役員。他の役員や教祖は一時的にトンズラしているわけだ」

 盤星教代表役員である園田は突然の侵入者に体を拘束されていた。噛まされた猿轡で悲鳴の一つも上げられない。
 彼は依頼した暗殺者から天内理子の遺体を受け取った後、本部とは別の都内某所にある盤星教施設に移動していた。そこの地下一階には信者が集まる講堂がある。そこで星漿体が死に、同化が阻止された宣言をする予定だった。
 園田はその準備中で控え室にいたところを襲われた。

「呪術師は非術師に手を出せない。こんなことをして許されるとでも思っているのか。って言いたげな顔だな。生憎、"俺"は日本の呪術師じゃない。呪術規定なんぞ知ったこっちゃないさ」

 見た目は女なのに、明らかに声は妙年の男。年若いのに、有無も言わさない貫禄のある雰囲気を纏っている。
 あり得ない矛盾を体現した侵入犯に園田は潜在的な恐怖を覚えた。

「さて、そろそろか。A。体戻すぞ」

 "猿の手"はそう言って、主導権を間白に返した。
 黒井と天内。2人続けての治療に間白の呪力は限界を迎え、肉体は疲労困憊になっていた。
そのため、園田の拘束は呪力節約のために"猿の手"に任せていた。

「あー、疲れた」

 足に力が入らず、貧血の時のように視界が一色に染まっていた。その症状に耐えきれず、間白はソファに腰を下ろした。
 対となっている向かい側のソファには天内が横たわっている。治療は成功したとはいえ、その過程で脳を弄っている。目覚めるのには時間がかかるだろう。
 五条悟と伏黒甚爾の対決は、五条が後の世で最強と言われるために避けてはいけない出来事だ。
 1周目と同じく、天内が殺されるまで間白は傍観を続けていた。
 甚爾の気配が高専から消えたタイミングで家入を連れて、薨星宮へ侵入。夏油は家入に任せ、間白は黒井を治した後に天内を追って、今に至る。

「あ、来た」

 こちらに向かう階段の足音が聞こえてきた。

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作者名:四畳間 | 作成日時:2024年2月20日 18時

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