〜2〜 ページ11
◽️夜。約束通り、間白は天内と黒井が泊まる部屋のお風呂場を借りた。
自分の部屋でも良かったが、この部屋の守りは1番強くしたい。だからといって、ベットを貸しもらうのは気が引ける。そこでお風呂場にある浴槽をベット代わりにした。
水気を飛ばした浴槽に自室にあった毛布を敷き、そこに横たわる。
術式「正鵠」──溷濁
この技は、発動中に自身の肉体から五感を消し、代わりに別のものでその五感を代替するもの。
今、間白の肉体から視覚と聴覚と触覚が消えている。代わりにホテル内の監視カメラは視覚。ホテルを構成する壁、床、天井は聴覚と触覚となって間白の肉体に伝わっている。
──さて、どうするか。
間白は明日の行動を考えながら朝日が来るのを待った。
♦︎♦︎♦︎
護衛3日目──都立呪術高専筵山麓。
「皆、お疲れ様。高専の結界内だ」
「これで一安心じゃな!!」
「……ですね」
そんな中、五条は護衛中ずっと術式を出していた疲労で、間白は神経を張りながら徹夜した疲労で顔が死んでいた。
「悟、A。本当にお疲れ」
「じゃあ、私はここでお暇させていただくよ。ここから先の結界には入れないからね」
と間白は術式で地中に潜り、早々とその場から立ち去った。
「薄情なやつだな」
「彼女なりに思うところがあるんだろう」
この時、五条は高専結界内にいるという安心感から術式を解いた。
そして、音もなく、気配もなく。
凶刃が五条の腹部を貫いた。
「アンタ、どっかで会った?」
「気にすんな。俺も苦手だ。男の名前、覚えんのは」
46人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:四畳間 | 作成日時:2024年2月20日 18時