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地獄編〜1〜※挿絵あり ページ2

「何これ」

 この日、突如として間白の目の前に奇怪なモノが姿を現した。

「僕の名前はコガネ!君はたった今から泳者(プレイヤー)として、この死滅回遊に参加してもらうよ!」



 口の前に手が出た。
 気づけば、間白の右手はコガネと言う式神を鷲掴みにしていた。
 キュ、とコガネは悲鳴をあげ、手の隙間から出た羽をバタバタとさせている。

「首謀者は誰だ。言え」

 間白の口からではない。"猿の手"が間白の右手甲から口を生やし、怒気を帯びた声でコガネに詰め寄る。

「俺の役割は泳者(プレイヤー)と死滅回遊を繋ぐ窓口だ!それ以外のことはできない!」
「そうか。じゃあ、とっととこの子の参加を解除しろ。お前、半自立型の式神だろ。なら痛覚はあるよな?」
「それはできない!いくら脅されてもこの死滅回遊(ゲーム)は強制参加だ!」

 "猿の手"は舌打ちをした。

「A。気をつけろ。さっきから気配がおかしい」
「気をつけろって言ったって、私、戦いの経験ゼロだけど?!」

 2018年11月1日早朝──仙台結界。
 間白A。術師として死滅回遊に強制参加。

 そう、これは間白が時間遡行を始める前の話である。

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作者名:四畳間 | 作成日時:2024年2月20日 18時

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