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◽️呪印を解呪できたとしても昏睡から目覚めるのは伏黒津美紀ではなく、中にいる別の誰か。
施術の手順としては
1.津美紀を殺して、彼女の肉体を間白の術式範囲内にする。
2.中にいる誰かの魂を術式で呪物の状態に戻し、取り出す。
3.津美紀の肉体を修復、蘇生する。
ということになる。
吉野の時もそうだが、この施術には間白の呪力が足りるかどうかが課題だ。
人間の体は複雑怪奇な構造と莫大な情報を持つ。
全壊したビルを直すより、人間を治すほうが飛び抜けて呪力を使う。
「人間の体は小宇宙」
この言葉はまさしく言い得て妙だ。
この施術はホイホイ他人に使えない。助けられる命は限られている。
「まぁ、君は運が良かったってことだ」
一方、八十八橋組。
夜。ホテルを抜け出し、3人は八十八橋高架下の川原に立っていた。
川や境界を跨ぐ彼岸を渡る行為は呪術的に大きな意味を持つ。
3人が小川を跨いだ瞬間、周囲の景色が変わる。
件の呪霊が3人を領域へと招き入れた。
「出たな」
「祓い甲斐がありそうね」
その瞬間、意気込む3人の背後に妙な気配が現れる。
「あ゛ぁ」
人でも呪霊でもない。
改造人間でもない。
ソレを表す的確な言葉はない。
「伏黒、コイツ別件だよな」
「……あぁ」
「じゃあ、オマエらはそっち集中しろ」
呪力を回す。
「コイツは俺が祓う」
ソレは虎杖の殺気に反応し、標的を彼1人に絞った。
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作者名:四畳間 | 作成日時:2023年12月7日 17時