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◽️高専──保健室。そこの一番窓際の角にあるベットを虎杖、釘崎、間白が囲む。
3人は特級呪霊との交戦で負傷した伏黒のお見舞いに来ていた。お見舞い品と昼食を兼ねたピザを片手に。
「はぁ、アンタも共謀だったとはね」
「色々あったの。先生達からも口止めされてたし。んで、実は虎杖君生きてたサプライズはどうだった？」
「大失敗した」
「やっぱりね」
「分かってたなら止めてくれよぉ」
「悪ノリ状態の五条先生と夏油先生を止められるとでも？」
「無理だな」
伏黒は何かとこの2人とは付き合いが長い。下手に突っ込むと否応なく巻き込まれるのを経験則から知っている。
「でもまぁ、伏黒の怪我が大したことなくて良かったな」
「あの時、呪力がカラカラだったのが逆に良かったみたいだ。根を取り除いた時点で家入さんの治せる程度だった」
「へー、そういうこともあんのか」
「アンタ、ソイツと闘ったんでしょ？」
「……虎杖。オマエ、強くなったんだな」
伏黒は少年院の、虎杖が死んだ時のことを思い出す。
「あの時、俺達それぞれの真実が正しいと言ったな。その通りだと思う。逆に言えば、俺達は2人共間違ってる」
「答えがない問題もあんでしょ。考えすぎ、ハゲるわよ」
「そうだ。答えなんかない。あとは自分で納得できるかどうかだ」
♦︎♦︎♦︎
「A。強い呪術師とは一体どんな人間か知ってるか？」
「うーん、どれだけ自分の術式を理解しているか、とか？」
「それもある。しかし、死に近い人生を送る中で最も重要なことがある。それは心だ。いかなる時も我を通すことのできる人間が生き残る」
「我を通す？」
「そうだ。自分の選択が後にいかなる結果を生もうとも後悔せず、突き進む強さを持て。俺は、それができずに死んだからな」
♦︎♦︎♦︎
「弱い呪術師は我を通せない」
伏黒の言葉に、間白は"猿の手"の言葉を思い出した。
「俺も強くなる。すぐに追い越すぞ」
「ハハッ、相変わらずだな」
「私抜きで話進めてんじゃねーよ」
「それでこそ、
まるで最初からいたように自然と東堂が乱入して来た。
虎杖は目に止まらぬ速さで窓から逃亡する。
「どこへ行く
「うわぁ。虎杖君、どんまい」
間白は去り行く2人の背中を窓から眺めた。
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作者名：四畳間 | 作成日時：2023年12月7日 17時
