検索窓
今日:188 hit、昨日:294 hit、合計:22,628 hit

〜5〜 ページ26

◽️地図には失踪者、変死者、残穢が確認された一帯を赤ペンで大きく囲われている。範囲内ギリギリに高校があった。

「おそらく、次の標的になるのはこの里桜高校の可能性が高いです。ただ、休校などの処置は取れないため、検知用の呪符を敷地内のどこかに貼りにいきます」
「あぁ、なるほど。だからか。修理の依頼にしちゃ、入り時間が早いと思った」
「話が早くて助かります」
「えっ?!俺わかんないだけど?」
「虎杖君。こっそり動く時に流れる脳内BGMってどんな曲?私はピンクパンサーのやつ」

♦︎♦︎♦︎

「悪いことしてる気分」
「なんだか、緊張してきた。とっとと終わらそう」

 虎杖と間白は里桜高校に不法侵入していた。
 しかし、これは不可抗力だ。検知用の呪符を張るために学校へアポを取る時間がなかった。
 幸い、今は体育館で全校集会を行っているため、理科室で息を潜める2人の周囲に人の気配はない。

「人の出入りが少なくて、呪符が見つかりにくい場所……。どこだと思う?」
「あー、うーん、図書室とか?そこで授業とかねぇし、休み時間も人いるイメージない」
「じゃあ、そこにしよう。多分上の方の階にあるはず」

 2人は身を眺めながら、理科室から廊下へ出た。

「あれ?」

 間白は異変を感じた。
 なんとも言えない違和感。それを辿るようにスカートにある右ポケットへ手を突っ込んだ。そこには今回使う呪符を入れていた。
 呪符は元々、真っ白の和紙に文字や符号が墨で書かれたものだ。しかし、間白の手にある呪符は真っ赤に染まり切ってしまっている。

「間白!」

 虎杖が窓から上空を指差す。
 雲が浮かぶ青い空に、黒い澱みが広がる。
 今、まさに帳が降りようとしていた。
 間白はなんだかデジャヴを感じた。

「避難は、間に合わねぇ」
「仕方ない。"猿の手"」

 間白は淡々と自身の右腕に告げた。

「体育館の空間を使って結界を張れ。その中にいる人間は全員眠らせろ」

 願いは叶えられた。
 間白の預金から40万が消し飛んだ。これが代償である。

「気配は……」

 虎杖と間白は顔を見合わせ、同時に上を向いた。

〜6〜→←〜4〜



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (22 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
53人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 救済 , 逆行
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:四畳間 | 作成日時:2023年12月7日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。