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〜2〜 ページ21

「相変わらず元気そうです。あ、あと、呪力が以前と段違いに安定してます。いきなり脅かされても呪骸に殴られませんでしたし」
「じゃあ、そろそろ成果を見てもいい頃合いだね」
「外に出して大丈夫なんですか?バレません?」
「そのあたりは伊知地に調節して貰ってるから大丈夫」
「なるほど……。あっ、すみません」

 間白のスマホが着信音を鳴らした。

「いや、こっちこそ引き留めて悪かったよ」

と夏油はその場を後にした。
 間白のスマホの着信画面には「吉野順平」と表示されていた。

♦︎♦︎♦︎

 吉野が間白と出会ったのは8月の初旬。
 間白の方から声をかけてきたのがきっかけだった。

「ねぇ、君はどんな映画が好き?」

 この問いかけをきっかけに吉野は間白Aという存在を認識した。
 間白は最近になって映画にハマったらしく、その知識は少ない。しかし、会話のテンポや自分にはない視点からの話の広がりに吉野は引き込まれた。
 それに何と言っても、自分と同じ異形のものの姿が見えていた。
 吉野が心を開くのに、そう時間は掛からなかった。

「ごめんね、わざわざ会おうなんて言い出して」
「いや、むしろ有難いと言うか。こっちも電話越しじゃちょっと伝えづらかったし」

 吉野からの電話を受けた間白は、お互い見知ったファミレスで落ち合うことにした。幸い、3時と言う微妙な時間のおかげで空いている。

「でも、よかったの?まだ学校の時間じゃ」
「今日は午前授業だったから平気。それより、本題に入ろう。わざわざ電話をかけてきたくらいだし、余程のことでしょ?」
「うん。その、僕たちがよく行く映画館あるでしょ?あそこで、し、死体見たんだ」
「……それで?」

 間白はいちごパフェを頼む気まんまんだったが、メニューをそっと端に寄せた。

「警察に連絡して、軽く事情聴取受けたんだけど。その、死体の様子があまりにも変で。ほら、前にジュレイの話をしてくれたでしょ。そいつの仕業かと思って、でも確証がないし」
「なるほど。それでわざわざ電話を。警察と高専は裏で繋がってるから平気だよ。明日には現場に呪術師が来ると思うよ」
「そうなの?なんだ、電話しなきゃよかった」
「いや、言わなかった私が悪いし。あ、となると君のところにうちの学校の人が来るかもしれない」
「えっと、呪術高専だっけ?」
「そう。まぁ、警察と同じように対応すればいいよ」
「わかった」
 しかし、吉野が彼女に電話をかけたのはこれだけではない。

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作者名:四畳間 | 作成日時:2023年12月7日 17時

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