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◽️2018年1月25日より、児童養護施設「華山園」で児童連続失踪事件が発生。
現場の状況と職員の証言から呪霊による事案と断定。
呪霊討伐の際に発生する被害を想定して、入居児童の避難を要請。しかし、避難場所を確保できず、事件発生から2週間が経過。当初の被害報告から、更に3名の失踪者を出すこととなった。
2018年2月11日、失踪していた7名の児童が無事発見された。7名のうち2名は軽度の栄養失調のため、市内の病院にて治療。現在は回復済みである。
当日時の時点では担当術師は現場に到着しておらず、何らかの介入があったと推測される。
失踪していた児童から他の児童によって救出されたとの証言が出た。
本人への聞き取り調査と残穢検査の結果から当時15歳の間白Aによって呪霊が討伐されたことが断定した。
本児は施設長の承諾を得て、現在は呪術総監督部の保護下に置かれている。
追記
2018年3月7日、本児は高専の厳重な管理のもとでの保護観察処分が下った。
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「いや〜、去年に続いて今年もいい芽がでてきた」
「ハハッ、報告書を見たときはどうしようかと思ったけどね」
東京校呪術高専──保健室。
五条と夏油はお見舞い用のパイプ椅子を引っ張り出し、診察室の一角を占領していた。
「おい、そこでたむろするな。奥行け」
「あ、硝子。Aの検査結果どうだった?」
「はぁ……。ほら」
家入はカルテをバインダーごと五条に突き出した。夏油もそれを覗き見る。
「受肉による影響か右腕に皮下出血のような変色が見られるが。それ以外は至って健康だ。入学に差し障りはない。そっちはどうだ」
その瞬間、2人の表情が変わった。
どんな有り様だったのか、家入は容易に想像できた。
まず、今回起きた事案を簡潔にまとめると
呪術の素養を持った子供が呪霊が起こした事件に巻き込まれ、術式を行使した。その現場を高専関係者が確認した。
ただそれだけ。むしろ、よくあることだ。
なにせ、高専にスカウトされた形で入学した呪術師の大半はこれがきっかけだ。
通常であれば、間白Aの元に補助監督が派遣され、本人の希望があれば入学手続きに移行する。この一連の流れに上層部はわざわざ介入しない。
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作者名:四畳間 | 作成日時:2023年12月7日 17時