4人いる【呪術廻戦】 (ページ16)

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やりなおしページ16

◽️間白に受肉した"猿の手"は元々異国の地に実在した呪術師であり、その右腕のミイラである。猿の手ではなく、人間の手といったところか。
　もちろん、生前から"猿の手"と呼ばれていたわけではない。
　かつて間白は"猿の手"に名前を聞いたが、その答えは「忘れた」とのこと。なにせ彼は紀元前の人間である。名前どころか自身の姿さえ忘れている。そのため、彼の姿は今のところ透明人間状態となっている。

「おじさん〜。あの演出どうにかならない？毎回毎回心臓に悪いんだけど」
「俺だってどうにかしてやりたいがな」

　間白は"猿の手"の生得領域に意識を飛ばしていた。
　彼の生得領域は一言で言うと夕焼けの砂漠。そこのど真ん中にはちゃぶ台と2人分の座布団が敷かれている。
　間白が領域に訪れた際はその座布団に座りながらお互い対話をする。
　"猿の手"の姿は見えないが、座布団の沈み具合と夕日で出来た黒く長い影が"猿の手"の存在を示す。

「まだ1週目だけど、羂索がどこにいるのやらさっぱりだよ。五条封印と同時にリセットされちゃうから、それまでに探し出さなきゃいけないってことでしょ？」
「そうだな。あのクソガキが封印されれば、どんな形であれ虐殺が起こるってことだろう」
「にしても見た限り、やること多すぎる。しかも何なの、あの上層部ども。おかげで高専入学が8月になったんだが？」
「12年前はあんなんじゃなかったが……。あーそうか、やっぱあのクソガキか。クソガキがあんな好き勝手してるから抑制材料として……。クソ、どっちもクソだ」

　怒りを通り越して、もはや呆れている。表情は見えないが、間白にはわかる。
　"猿の手"は五条と夏油のことをクソガキと呼ぶ。
　まぁ、色々あったのだ。

「こればかりは仕方ないね。まずは高専入学RTAだ」
「そうだな。このままだと2ヶ月で全部やらなきゃいけないことになるし。じゃあ、いつも通り、なんかあったら呼べ」
「ん、ありがとパパ」
「パパって呼ぶな」

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　2018年2月11日。
　間白は2回目の今日を迎えた。