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時間切れ ページ15

◽️2018年10月31日──五条悟封印。
 同時刻、渋谷マークシティ前。

「ッチ、五条封印がトリガーか」

 間白は動きを止めた。右足を掴まれたからだ。
 足元を覗くと、道路から一本の腕が生えていた。女の腕だ。赤いマニキュアが間白の足首に食い込んでいる。
 次は左足を掴まれた。スーツを着た男の腕だ。
 腕はどんどん増えていく。そして、その腕にどれひとつして同じものはない。
 間白はそれを振り払うことはせず、足から腰、腰から腕へと縋り付くように掴んでくる腕をただじっと見ていた。

 ──助けて。
 ──お母さん。お父さん。
 ──痛い。

 現れる腕の主の声が間白の頭へ直接語りかける。
 これは呪霊ではない。
 渋谷事変、そして死滅回遊で犠牲となる人たちの無念が形となった物だ。

「あっ」

 最後の腕が間白の首を掴んだ。

 砕ける音がやりなおしの合図だ。

やりなおし→←〜終〜



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作者名:四畳間 | 作成日時:2023年12月7日 17時

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