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帰郷編〜1〜 ページ11

「この前も来たけど、やっぱ久々な感じがするなぁ」
「アンタ、また食いすぎて腹壊すとかやめろよ?」
「もうやんねぇって」

 間白は初めて、他1年生3人にとっては2度目となる仙台出張。
 1度目は仙台グルメを満喫すると言って、任務前に食事処を回った。
 特に虎杖は調子に乗って、牛タン定食、味噌カツ定食、3色餅、お汁粉、冷やし中華、その他買い食いと、トドメに笹かまと喜久福(ずんだ生クリーム味)を食べたことで腹に爆弾を抱えた。
 その夜に予定されていた任務では使い物にならなかったとか。

「被害者は3名。それぞれ、近所の中高に通う学生っス。2人は全身を鋭い刃物で切り付けられたことによる失血死。もう1人は背中を大きく切られたっスけど、今のところ命に別状はないっス」

 今回の出張は踏切に出没した呪霊の討伐である。
 現場近くの道路沿い。そこに停まったレンタカーの中で補助監督の新田が説明を続ける。

「どうやら、この踏切にはちょっとした噂があるらしくて。3人とも、それを試しに肝試しをしたところを呪霊に襲われたっぽいっス」

その話題に間白が反応を示した。

「あぁ、あの噂か」
「知ってんのか?」
「うん。私の、というか親の家がこの踏切の近くだからね。少し耳入ってる。」
「えっ、じゃあ、同じ出身仲間じゃ〜ん」
「意外ね。アンタ、九州とか沖縄の出身かと思ってた」
「どこからそんなイメージが……」

 この時、伏黒は間白の話に違和感を覚えた。
 間白は物心ついた時から施設育ち。そう、本人から聞いた記憶がある。だが、わざわざ人の過去を掘り返す必要もない。そもそも記憶違いかもしれないと、伏黒は疑問を思考から消し去った。

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作者名:四畳間 | 作成日時:2023年12月7日 17時

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