はろー相談役 ページ9
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胸を押さえてテーブルに肘を着き頭を抱える面堂に
珍しくキリッとした顔でラムを見つめる諸星。
「ラム、Aちゃんは本当にお前の妹なのか?」
「だっちゃ!」
「ならなんでお前もあーゆーふーにならない? お前もAちゃんのように!広い心で俺がほかの女の子とデートしようとしても笑顔で送り出せる女にならんかいっ!」
「ダーリンはうちのだっちゃ!うちの何が気に食わんのけ?!ダーリンのっばかァァっ!」
「うわっばかやめろっぎゃぁあああああ!!!」
「Aさんさえ良ければ…面堂家の名にかけて僕の知っていることを全てお話しますよ」
隣で悲鳴をあげる諸星が見えないのか、
はははは と爽やかに何処からか取りだした櫛で髪を整えだす面堂に じゃあ… と顔を近づけ 小さく質問したAに面堂の息が止まった。
『しゅーたろうは
どうしてそんなにやさしくてかっこいいの?』
「………………、ぇ??」
『私もラムと一緒で早くお婿さんを貰わなきゃいけないんだけど、出来たらしゅーたろうみたいな人がいいなって思ってて…、地球人の人はみんなしゅーたろうみたいなのかな? それともしゅーたろうだけ?』
最初 、本当に自分はなにか聞き違いをしたのかと考えたが もう一度しっかりAが聞き違い出ないことを証明してくれた為流石の面堂も言葉に詰まった。
「、そ れは……」
自分は容姿も家柄も他者より優れている自信がある。女性からは黄色い声を浴びることもまぁ当然だと思うし男どもの嫉妬の視線や声は褒め言葉と言っても過言では無い。
だけれども、 未だかつて自分の事をここまで 悪意や皮肉なんてものは感じられない無垢でキラキラした目を向ける人はいただろうか
透き通ったエメラルドの瞳は まるで幼子が母親に
「これはなぁに?」と質問するかのように純粋で
綺麗に透き通っていた。
どくん、どくん、と胸から聞こえる自分の鼓動に言い訳が出来なくなっていく。
なんて、…
「(なんて純粋な好意なんだろうか)」
『やっぱりしゅーたろうだけが特別なのかな?』
とろん、と水飴のようなたれ目のAが首を傾げたので、面堂も ハッと我に返りその瞳に優しく微笑んだ。
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作者名:たまき | 作成日時:2022年8月9日 10時