はろー神よ ページ26
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ダラダラと面堂の背中に冷汗が伝っていく
ー ねぇピーター。もしあなたが私とあの子で選ぶか迷っているのであれば、あの子を選んで。 だって私のことが本当に好きなら、そこに迷いなんてないはずだから ー
ー「だいたいね!? 本当にいい男なら2人の女の間でふらふらせずにビシッと1人に決めてみなさいよ!!誰でもいいからお零れちょーだいなんて情けない!」ー
ー『ねぇ どうして気付かないふりするの?』ー
ピーターパン = 僕
ウェンディ=A
ティンカーベル= その他女子。
ピーターパン=諸星
ウェンディ = しのぶさん
ティンカーベル= ラムさん
つまりは、
「諸星=僕……そんなっ…」
あまりにも受け入れ難いおぞましい現実に目を逸らしそうになる。めまいと動悸もしてきた
「お前以外のカップケーキは全部断る 俺にはお前しかいないぐらい言える男になったらどうなの?!」
「貰えるもん貰わなきゃ損だろうが!!」
「(まさかっ…僕と諸星が同レベルなわけ、っここでハッキリさせなくては僕はっ…面堂家末代までの恥!)」
『しゅーたろう? 大丈夫』
「、A」
ラムも加わりますます激しくなる言い合いの中 顔をあげれば腰をかがめてこちらを見つめるAの姿があった。
心配そうに自分の背中をさする小さな手に決意を固め、Aにしっかり向き合い 手を握った
「Aが作った残り1つを僕に貰えないか?僕の作る物は2つとも受け取って欲しい。」
しん、と調理室が静まり返り ラムやしのぶや あたるさえも静止画となり、小さく ひっと女子生徒の声がした。
『ぇ? でも…他にも沢山貰うだろうし食べるの大変じゃない?』
「いや、有難い申し出だが今回は全て遠慮させてもらうよ。それで、その…どうだろうか?」
もしAが断れば面堂はクラスの男子の冷やかしに合うだろうと思った。がそれでも大多数の女子の作ったものよりAのカップケーキが欲しかった。
たかがカップケーキ、されどカップケーキ。
クラス中の視線が降り注ぐ中。
Aは嬉しそうに頬を染めて微笑んだ。
『私も本当は渡したかったの 受け取ってほしいな、それと、しゅーたろうが作ってくれた分は帰ったら一緒に食べよ。ありがとう 嬉しい…』
ラムの口笛
男子生徒と女子生徒の悲鳴に
面堂のガッツポーズによって
ようやく、ようやく調理実習が開始されることになった。
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作者名:たまき | 作成日時:2022年8月9日 10時