はろー調理実習 ページ24
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「では調理実習を開始します。前回予習した通りに作ってください尚怪我には十分気をつけてくださいねー」
「私上手く出来たら面堂さんにあげちゃおっかな〜」
「ずるい!私もあげるつもりだったのに!」
きゃあきゃあと沸き立つ女子生徒にどこかそわそわ落ち着きの無い男子生徒達。今日は調理実習でカップケーキを作る事になっているからあわよくば女子から貰えないかとそわそわしているようだ
「お前らそわそわそわそわ見苦しーっての」
「あたる!お前はラムちゃんからもらえるからって余裕こきやがってコノヤロー!」
「ザマーミロ!たとえラムが相手でも1個は1個!貰えないお前達とは月とすっぽん!錯乱坊(チェリー)に真珠じゃ!わははははははっっ!」
「カップケーキは2つある!運が良ければお零れが貰えるはずだ希望はまだある!諦めるなぁァァァー!!」
母から借りたエプロンを着けた諸星が同じようにエプロンをつけた友人の前でふんぞり返って高らかに笑うのを 鼻で笑った面堂。
「ふっ カップケーキの一つや二つ、君達も僕のように日頃の行いが正しければ貰えるだろうに。」
「ケッ、顔がいいやつは有利だよなぁ」
そしてもちろん同じように面堂も黒いエプロンをつけているのだが 顔の良い面堂はクラスメイトの女子の半数からは恐らくカップケーキを貰えるだろう。以前ならどれだけ周囲と差がありいかに自分が優れているかの優越に浸っていたが今は違う。
今面堂に取って大事なのは《誰から》もらえるか。である
「張り切って作るっちゃ!」
ジャキンっと建物を解体する時に使われそうな工具とハバネロを取りだしたラムは どうみてもカップケーキを作るようには見ず思わず周囲の人間が諸星に同情の目を向けた
「いっ…1個は1個……だよな?」
「もらったもんはちゃんと責任もって食えよあたる」
「ラムちゃんとAちゃんからもらえるなら激辛カップケーキで死んでもいいっ!」
『ラムはやっぱりダーリンにあげるの? 1個私と交換しない?ラムが作ったやつ食べたいな』
「だっちゃ!Aは誰がにあげるのけ?」
ぴくっ
「「…」」
『私は……あげようと思ってたんだけど…。やっぱり自分で食べようかなって』
ラムと色違いの虎柄のエプロンをつけたAの言葉に、聞き耳を立てていた面堂と諸星がすぐさまキリリッと顔を整え駆け寄った
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作者名:たまき | 作成日時:2022年8月9日 10時