はろー初めましての君 ページ19
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Aを抱きしめていた腕の力がするすると抜けていったためAも預けていた頭を胸から離し前を見た。
『？しゅーたろうどうしたの？』
「……いや、あの…」
何やから頭を抱えて座り込んでしまった面堂に合わせてAもその場に座り込む。なにせ面堂の肩とAの手はあと15分程繋がったままなのだ
『しゅーたろう？』
「っ すまない ちょっと、っまだ見ないでくれ」
いつも櫛で綺麗に整えられている髪がほつれて顔にかかっているのも気にならないのか、顔を上げずなにか忙しそうな面堂をのぞきこんだAは、
『(、あ、かおが、まっかっか)』
しゅーたろうの顔お花みたい。
『もういい？』
「、まだ」
『うふふっ…もういい？』
「いや…もうちょっと、待ってくれ」
＊＊＊＊＊＊＊
そしてこのあとも いい？ まだ。 いい？まだ。のやり取りをしばらく続け 5分程経過した時 ようやく面堂が
《シャキーン》という効果音と共に復活し、すぐさま立ち上がると櫛で乱れた髪を整えだした。
「いや あはははっ今日もいい天気ですねAさん」
『？ うん。あの、しゅーたろう』
「先程はいきなりの襲撃に驚いて無様をさらしてしまいましたが勝負はあと10分あります。面堂家の名に恥じぬ様このままAさんとなら『しゅーたろう 』
笑顔のまま流れるように紡がれる言葉にAがストップをかけた。
いつもどうりの正しい位置に整えられた前髪。
まっすぐ伸びた美しい姿勢。
紳士的な言葉遣い 。
優しい笑顔 。
余裕のある態度。
涼しい顔色。
いつもしのぶ達がかっこいいと褒める面堂終太郎。
でも
『わたし…さっきのしゅーたろうが好き 』
乱れた髪に うずくまった背中
いつもより乱暴な言葉遣いと
赤い顔に 焦った姿
『かっこよかった 。守ってくれてありがとう。』
よしよしと先程綺麗に整えられた髪を撫でたAはラム達を探しに行こ。と先程同様に面堂の背中におぶさった。 そしてそれをしっかり抱きとめた面堂は ゆっくり 足を進めてラムと、 ついでに諸星を探しに行った
背中から見えた、面堂の耳がまた赤く染っているのを見たAが 『やっぱりそっちの方がいいね。しゅーたろう。』と伝えて項あたりに頬を寄せると
あれ？背中側に心臓があるのかな と思う程どきどきが聞こえてきて くっついている背中が急に汗ばんできた気がして 私はやっぱりこっちのしゅーたろうが『好き』だと思った
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作者名：たまき | 作成日時：2022年8月9日 10時
