【ゲゲゲの鬼太郎】愛を食べる妖怪 (ページ20)

今日:1 hit、昨日:17 hit、合計:18,250 hit

④ ページ20

＊
＊
＊
鬼太郎の妖怪アンテナや猫からの情報を頼りに人間の町を探していると急に鬼太郎の髪が逆立ちアンテナに反応があった。

「っ近いぞ」

ーたすけてー！！誰かったすけてー！！ー

『あっ鬼太郎！あそこ溝の所！』

「髪の毛針!!」

一見先の道には誰もいないように見えたがよく見ると端に小学生くらいの少年が引きずり込まれているところだった。
すぐさま駆けつけた鬼太郎が少年を引っ張り出し髪の毛針を溝に向かって放つと、解放された少年の代わりに鬼太郎が緑色の手に引きづり込まれて行った

『鬼太郎!!』

「ねえ、あんた大丈夫？！」

がんがんがんっと溝の蓋が持ち上がり逃げていくのは鬼太郎を捕まえた妖怪が逃げていっている証拠だろう。咄嗟に自分には何ができるかと考えるが、何もできることはなくただ走って鬼太郎がいるであろう溝を追いかけた

ー「体内電気!!!!」ー

『っ』

「やった！鬼太郎の100万ボルトの体内電気なら！」
「じゃがあの技は…」

バチバチバチッと溝から経験した事がないような電気の音と眩しい光に混ざって苦痛に叫ぶ鬼太郎の声が聞こえた。少しすると光が止み蓋の一部がガタンと動いたためAが急いで蓋をのけ中から鬼太郎を引っ張り出した

『〜っ！！っ』

「はぁ、はぁっありがとうA。……？ A？」

荒い呼吸を繰り返した鬼太郎に目立った怪我は無さそうだったが身体が水に濡れ少し冷たくなっていた。
『(水の中で電気を使ったから感電したんだ、)』

ぎゅっと鬼太郎とちゃんちゃんこを抱きしめると震えが伝わったのか安心させるようにぽんぽんと背中に手が回った

「鬼太郎大丈夫か!?」

「父さん大丈夫ですよ」

「さっきのやつはどうやら水の妖怪らしいがお前の電撃で逃げて行きよったわい！」

「そうですか。 …A、僕は大丈夫だよ。」
そう言い切ると同時に動悸が完全に収まり体が軽く指先までぽかぽかしだした。恐らくAのおかげだろう

『鬼太郎、あんまり無理しないで。』

突然の事で随分びっくりしたらしいAの目に涙が浮かんでいるのに心配させてごめんよと謝り立ち上がった。鬼太郎が溝から引っ張り出した人間の男の子も無事らしく猫娘が顔をペちペちと叩いているのが見えた

「げほっげほっうおえっ」
「ほらほらしっかりしなさいよ」