素顔のままで

気まずい雰囲気 ページ18

side_亜嵐


バスを降りて解散したあと
いつも通りAと玲於と俺の3人で帰る

いつもよりよく喋るAと
ぼーっとしてる玲於
同じくぼーっとしてる俺


Aは何か悩んでる時や困ってる時こそ
よく喋るくせがあって

気にしないわけがない
悩まないわけがない

玲於にキスされたんだもん


『ねえ2人とも聞いてる？』

「あ、ごめんなんて？」

『だーかーら、体育祭何出るのって』

「あーー、」

『玲於は足速いの？』

玲於「普通」

『ふーん。じゃあ今年も選抜リレーは亜嵐かなあ』


なんて、
遠足が終わったらもう次のイベントのことで盛り上がるA

『じゃ、また明日ね〜』

「おーう」

玲於「じゃ」



玲於と二人きりになってしばらくして

いてもたってもいられなくなって尋ねる


「Aのこと、本気で好きなの？」

玲於「え、なんで」

「いや、どうなのかなって」

玲於「昨日言ったじゃん。なんかほっとけないって。」

「ただほっとけないだけの相手にキスするの？」

玲於「･･･なんで知ってんの」

「見えた」

玲於「見てたんだろ、俺らのこと気になって」

「そうじゃない。たまたま後ろだったから俺らが乗った観覧車が」

玲於「乃々華と話してたら別にこっち見ないでしょ」


玲於の言うことはたしかに正しくて


玲於「自分でもびっくりしてる。あんな大胆なこと、」

「･･･っ」

玲於「自分が思ってる以上にあいつのこと、好きなのかも」


ｽﾞｷﾝｯ

なんでこんなにも

胸が苦しいのだろうか

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