GAME1 (1) ページ6
『みなさん、そろそろお目覚めのようですね。』
どこからか聞こえてくる美声。でも周りにはスピーカーのようなものは何もない。
いったいどこから……
『みなさんは今どんな状況にいるか分かっておられますか?』
私の疑問をよそに美声は部屋に鳴り響く。
「分かってるわよ。それぐらい」
知的的そうな人がポツリという。
その声は小さい声のはずなのに大きい部屋の隅にいる私までとどいた。
よほどここの部屋は静かなのだろう。
「ちゃんと分っていらして良かったです」
この状況で自分の状態が分からない奴なんているのか?
「では今からGAMEをしてもらいます」
本当に不思議なくらい驚けなかった。
「今からやるGAMEは知恵の輪。あなたたちはここから出てください。その手錠を解いて。」
手錠を解いて部屋を出る?
知恵の輪?
頭が混乱してよく分からなくなる。
「制限時間は3分。助けあったりしてはいけません。ルールを破った途端に死、クリアできなくても死ですよ?分かりましたね。ではGAME、開始」
え?え?
どういうこと。とりあえず手錠をよく見てみる。
黒くて、光っていて、そして、
「変な形……」
そう私が呟くと同時に
ガシャン
という音がした。
「え、はや」
モデルさんみたいな人が言う。
その音の先をみると、知的そうなひとが手錠なんてまるでなかったように、
立っている。
もちろんあの黒光りするものはどこにも付いていなかった。
あの人は言う。
「これは知恵の輪じゃない」
そう呟いて、
あの人は出口から出て行った。
出る前
「頑張って。多分クリアしないと殺される。命がおしいのなら悩んで悩んで悩みなさい。
出口で待ってるから」
そう叫んで。
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作者名:ゆきだるまうさぎ x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/38a45e840c1/
作成日時:2016年9月22日 14時